椿姫【乾杯の歌】歌詞と対訳|Libiamo ne’ lieti calici

椿姫 乾杯の歌

椿姫・第1幕

椿姫の「乾杯の歌」は、着飾った人々がグラスを片手に、華やかなパーティーを盛り上げていく歌です。

第1幕、高級娼婦のヴィオレッタが主催するパーティーに、田舎のブルジョワ青年、アルフレードが訪れます。二人は出会い、アルフレードは詩人として、「乾杯の歌」を歌います。

「乾杯の歌」の歌詞を見ると、「飲みましょう、楽しみましょう」と場を盛り上げつつも、二人の距離はぐっと縮まります。

アルフレード ・・・ ヴィオレッタにアプローチ
ヴィオレッタ ・・・ 愛は消えやすいもの、と軽くあしらう

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「乾杯の歌」Libiamo ne’ lieti calici 歌詞と日本語訳

Libiamo ne’ lieti calici
che la bellezza infiora,
e la fuggevol ora
s’inebri a voluttà.
Libiam ne’ dolci fremiti
che suscita l’amore,
poiché quell’occhio al core
onnipotente va.

Libiamo, amor fra i calici
più caldi baci avrà.

アルフレード

飲みましょう、喜びのグラスを
美女が花を添える、グラスを持って。

つかの間の時を
快楽に酔いしれるように。

飲みましょう、甘いときめきが
愛を呼び起こす。
私の心に、ある瞳が、
(ここでヴィオレッタを見る)
全能の力をふるうから


飲みましょう、愛のグラスを
熱き口づけを得られるように。

アルフレードの熱烈なアプローチです。

onnipotente ・・・ 全能の、絶大な力を持つ

「全能」という言葉を使うのにふさわしいのは、神くらいでしょうか。アルフレードは、ヴィオレッタを神格化したいくらい、愛しているのでしょう。

高級娼婦として、日々男性に軽く扱われているヴィオレッタにとって、「あなたの瞳が全能の力をふるうから」と言われれば、強く印象に残ってもおかしくないですね。

Libiamo, amor fra i calici
più caldi baci avrà.

合唱

飲みましょう、愛のグラスを
熱き口づけを得られるように。

Tra voi saprò dividere
il tempo mio giocondo;
tutto è follia nel mondo
ciò che non è piacer.
Godiam, fugace e rapido
é il gaudio dell’amore;
é un fior che nasce e muore,
né più si può goder.

Godiam c’invita un fervido
accento lusinghier.

ヴィオレッタ

お集まりの皆様となら
楽しく時を過ごせるでしょう。

この世で楽しませてくれないものは、
なにもかも馬鹿げています。

楽しみましょう、簡単に
愛の喜びは消えてしまい、
花は咲いて散りゆき
二度と楽しむことはできないのです。


楽しみましょう、情熱的に
甘い言葉に誘われるまま。

ヴィオレッタも、男女の駆け引きに慣れているのでしょう。アルフレードの歌にすぐさま返事をします。

Godiam la tazza e il cantico
La notte abbella e il riso;
In questo paradiso
Ne scopra il nuovo dì.

合唱

楽しみましょう、グラスと歌と
笑いが、夜を美しくします。

この楽園の中で
私たちは新しい日を迎えるのです。

La vita è nel tripudio.

ヴィオレッタ

生きている間は、楽しみましょう

Quando non s’ami ancora.

アルフレード

まだ愛し合っていないからですよ

Nol dite a chi l’ignora.

ヴィオレッタ

愛に無縁な者に言っても無駄よ

È il mio destin così

アルフレード

これが私の運命ですから

Godiam la tazza e il cantico
La notte abbella e il riso;
In questo paradiso
Ne scopra il nuovo dì.

合唱

楽しみましょう、グラスと歌と
笑いが、夜を美しくします。

この楽園の中で
私たちは新しい日を迎えるのです。

「乾杯の歌」の中で、ふたりの距離は縮まる

ヴィオレッタは、パーティーの主催者ですから、場を盛り上げるためにあれこれ準備しているものです。

椿姫の第2幕、ヴィオレッタの友人である高級娼婦は自身のパーティーで、ジプシーの女たちのダンス、闘牛士の出し物、カードゲームなど、招待客を楽しませるものを準備をしていました。

ヴィオレッタも第1幕の中では出てきませんが、何かしら催し物など準備していたはず。自分が主催するパーティーの評判は、自分自身の評価につながるので、楽しんでいる風を装って、かなり周囲に気を配っていたと思います。

アルフレードの「乾杯の歌」によって場が盛り上がったので、ヴィオレッタはアルフレードに好印象を持ったことでしょう。「乾杯の歌」の中で、歌詞に恋心を織り交ぜ、スマートにアプローチするなんて、なかなか素敵じゃないでしょうか。

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