【リゴレット】あらすじと対訳・ヴェルディ

リゴレット オペラ

「リゴレット」は、道化師のリゴレットが、娘のジルダを大切に思うあまりに起こしてしまった行動が招く、悲劇のオペラです。

原作は、ヴィクトル・ユゴー(レ・ミゼラブル)の戯曲「王は愉しむ」です。

ユゴーはオペラの台本を見て、内容が気に入らずに裁判を起こしますが、敗訴。後日、ヴェルディはユゴーをオペラに招待します。

実際にオペラを劇場で見たユゴーは、登場人物の心情を音楽で表現できていることに感動。ヴェルディのファンになったというエピソードが残っています。

有名なアリア「女心の歌」La Donna e Mobileは、第3幕に出てきます。

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オペラ「リゴレット」の簡単なあらすじ

「道化師のリゴレット」は、既婚者で好色な「マントヴァ公爵」に仕えていた。周囲に存在を隠す「娘ジルダ」が、リゴレットの救いだった。

リゴレットの知らぬ間に、娘のジルダは身分を隠した公爵と恋に落ちる。だが、リゴレットを恨みに思う廷臣らに、ジルダが連れ去られてしまう。

廷臣らが娘を渡したのは、公爵だった。その場でマントヴァ公爵に娘は弄ばれる。泣く娘を見て、リゴレットは復讐を誓う。

リゴレットは公爵の暗殺を計画するが、ジルダが自ら、公爵の身代わりとなり殺されてしまう。娘の遺体を見て、リゴレットはショックを受ける。

相関図と登場人物(リゴレット・ジルダ・マントヴァ公爵)

リゴレット 相関図
相関図をタップすると、大きく表示できます。
リゴレット宮廷道化師バリトン
ジルダリゴレットの娘ソプラノ
マントヴァ公爵領主テノール
スパラフチーレ殺し屋バス
マッダレーナ殺し屋の妹メゾソプラノ
モンテローネ伯爵公爵に娘を弄ばれた、老伯爵バリトン
ジョヴァンナジルダの女中メゾソプラノ

作曲ヴェルディ・初演・原作・台本・上演時間

リゴレット Rigoletto

  • 作曲 ヴェルディ
  • 初演 1851年3月11日 ヴェネツィア フェニーチェ座
  • 原作 ヴィクトル・ユゴーの戯曲 「王は愉しむ」
  • 台本 フランチェスコ・マリア・ピアーヴェ イタリア語
  • 上演時間 2時間(第1幕55分 第2幕30分 第3幕35分)

「リゴレット」第1幕の簡単な対訳 娘ジルダを隠して育てる

「リゴレット」前奏曲

オペラの中で何度も登場する、呪いのテーマ(モンテローネ伯爵の呪いを表現する音楽)が繰り返し流れます。

第1場 道化を演じ、周囲に嫌われるリゴレット

マントヴァ公爵の屋敷・大広間

舞踏会。華やかな音楽が流れ、皆が踊っている。マントヴァ公爵は、廷臣と話している。

公爵

教会で見かけた、名も知らぬ町娘に恋をしているんだ。彼女は寂しい裏通りに住んでいるが、なぜか、その家に怪しい男が出入りしている。

廷臣
彼女は、自分に思いを寄せる男が何者か知っているのでしょうか?

公爵

私の身分を知らないだろうな。

着飾った男女らが、ふたりの前を通り過ぎる。

公爵

今の集団を見たか、伯爵夫人があの中で一番美しいな。

あれもこれも、どの女も似たり寄ったり。今日はひとりの女を愛しても、明日には別の女を愛している。恋とは自由なもの。

「あれかこれか」Questa o quella

マントヴァ公爵は、伯爵夫人に近づき口説く。

公爵

もうお帰りですか?残念だ!あなたは太陽のように美しく、惹かれずにはいられない。あなたへの愛の炎はすでに大きく燃えているのですよ。

伯爵夫人
落ち着いて・・・

マントヴァ公爵と、伯爵夫人は腕を組んで出ていく。

道化師のリゴレットと、マントヴァ公爵を追いかける伯爵がすれ違う。

リゴレット

酒に、踊り、いつも通りの大騒ぎだ。マントヴァ公爵は今頃、伯爵夫人とお楽しみ中さ。そして、怒った伯爵が追いかける、お笑いぐさだ。

リゴレットがいなくなった後、廷臣らが「リゴレットに愛人がいる」と噂話をしている。

廷臣
面白い話を聞いたぞ。リゴレットが愛人をもっている!!

廷臣
あの怪物が?信じられない!

リゴレットとマントヴァ公爵が、広間に戻ってきた。

公爵

伯爵は面倒な奴だが、あの伯爵夫人は天使だ。

リゴレット

今夜にでも、伯爵夫人と寝てしまえばいい。伯爵は牢屋に入れるか、首を切ってしまえ。

公爵

(伯爵を捕まえて、笑いながら)この首を切るのか?

リゴレット

その首に価値はありません。

伯爵
(激怒して、リゴレットに)ならず者が!

公爵

リゴレットよ、お前の冗談はきつすぎる。いつかわが身に怒りが降りかかるぞ。

リゴレット

誰が私を捕まえることができましょう?恐れはありません。私は公爵の手下ですから。

伯爵はその場にいた廷臣らに、小声で呼び掛ける。

伯爵
(小声で)リゴレットには、我慢出来ない。マントヴァ公爵の寵愛を立てに、調子に乗って、言いたい放題。あいつに復讐してやりたい。

リゴレットに復讐したいヤツは、夜ふけに私の屋敷に来てくれ。

別の老伯爵が広間に現れる。

老伯爵
話がある。私の声は雷のように響き、お前(マントヴァ公爵)を震わせるだろう。

「話がある」Ch’io gli parli

リゴレット

(老伯爵を真似して)話がある。あなたは私たちに陰謀を企てたが、私たちは慈悲深く許そう。なぜ、時をわきまえず、娘の名誉を主張されるのか?

老伯爵
(リゴレットに)私を侮辱するのか!

(公爵に)お前の不道徳な宴を邪魔してやる!私の家族への侮辱が拭われるまで、叫ぼう。処刑人にこの身が渡されようとも、怨霊となった私をお前は見るだろう。

公爵

もうよい。彼を捕らえろ。

リゴレット

彼は頭がおかしいな。

廷臣ら
なんということを!

老伯爵
ふたりとも、呪われてしまえ!!

公爵よ。あなたは卑怯者だ。リゴレット。あなたは父の苦しみを知らない。呪われよ。

リゴレット

(恐ろしい言葉!!)

リゴレットは呆然としている。

全員
楽しい宴を乱した、老いた伯爵よ。立ち去れ!お前は致命的なことをしたのだ。もはや希望はない。

老伯爵は衛兵により、連れられて行く。

第2場 娘ジルダが、マントヴァ公爵に恋をしてしまう

リゴレットの家

小さな中庭がある、地味なリゴレットの家。通りの右手には、伯爵(マントヴァ公爵に妻を寝取られた男)の家がある。

夜。リゴレットは足早に自宅前の通りを歩いている。後ろから、男がついてくる。

リゴレット

(おいぼれが、私に呪いをかけた!!)

「二重唱」Quel vecchio maledivami!

リゴレットが自分の後をつける男に気がつく。

リゴレット

何者だ?私は何も持っていないぞ。

殺し屋
物乞いじゃないさ。俺は殺し屋。支払いは、前金は半分。残りは後で。何かの時はご用命を。

殺し屋は立ち去る。

リゴレット

(ふたりは同じ穴のむじなだ。あいつは、刃物で人を殺し、私は、言葉で人を傷つける。同類だな。老いぼれに呪われてしまった。頭から離れない。)

「ふたりは同じ穴のむじな」Pari Siamo

リゴレットは自宅に入り、娘のジルダが出迎える。

リゴレット

娘よ、お前の側にいると喜びを感じるよ。お前は私のすべてだ。お前がいなければ、私には何もない。

「娘よ・二重唱」A te d’appresso

ジルダ

ため息を!秘密なら私に打ち明けて。お父さんの名前も家族のことも知らないわ。

リゴレット

そんなことはいいんた。決して外に出るな。行くのは教会だけだぞ。

お前の母さんは、天使だった。憐れみ愛してくれたのだ。愛する女は死んでしまい、哀れな男にお前が残された。

ジルダ

なんという苦しみを抱えているのでしょう。苦しみの理由を、あなたの名前を教えてください。

リゴレット

私の名前など、必要ないのだ。大切なのは、お前だけ。決して外に出るな。(娘が連れ去られ、道化の娘が汚されたと笑われることになったら!)

リゴレットは、ジルダの女中を呼びつける。

リゴレット

(女中に)家に誰も入れるな。この花を見守ってくれ。純粋なままでいさせてくれ。

誰かの気配がする!

リゴレットが家の外の気配に気がつき出て行く。リゴレットの家の中庭に、マントヴァ公爵が入ってくる。公爵は女中に財布を投げ黙らせる。

周囲を確認してリゴレットが戻ってくる。

リゴレット

(女中に)教会では誰にも後をつけられなかったな?扉を開けるときは気をつけろ。それでは、私は出かける。

ジルダを抱きしめ、リゴレットは出て行く。木陰で様子を伺っていた公爵は、リゴレットの娘だと知り驚く。

公爵

(リゴレット!奴の娘なのか。)

ジルダと女中、隠れてみている公爵。

ジルダ

教会で若い男に後をつけられたことを、父に言わなかったわ。あまりにも素敵で恋に落ちそうだったから。

女中
堂々として、身分の高い方のようでしたね。

ジルダ

貴族や王子ではないほうがいいわ。貧しい人のほうが好きになるような気がする。寝ても覚めても思い出してしまう。彼に言いたい。あなたを愛・・・

公爵が姿を現し、女中に去るように合図する。

公爵

あなたを愛しています。そう言ってくれ。

ジルダ

誰があなたをここへ?出て行ってください。

公爵

出ていけ!と言うのか。今、愛が燃えるこの瞬間に。愛が二人を結び付けるときに。

あなたは心の太陽だ。運命がふたりを結びつけてくれた。この世は儚いもの、聖なるものは、愛。私はあなたのために、男たちの羨望の的になるだろう。

「あなたは心の太陽・二重唱」È il sol dell’anima

ジルダ

(これは乙女の夢なのね。優しい声に心が惹かれる。)

あなたのお名前は?

公爵

私は、貧しい学生グァティエル・マルデです。

家の通りから声が聞こえてくる。

ジルダ

私の父かもしれない。去ってください。

伯爵は去り、ジルダは通り沿いのバルコニーにいる。

ジルダ

グァティエル・マルデ!愛しい人の名前よ。心をときめかす名前。愛の喜びを思い出させる名前になるに違いない。

「麗しい人の名は」Caro nome

その様子を通りから見て、リゴレットを恨みに思う伯爵(公爵に妻を寝取られた男)と廷臣たちが、ジルダを見て美人だと驚く。

廷臣ら
なんて美人なんだ。あれがリゴレットの愛人とは。

廷臣たちと伯爵がジルダを盗もうとしている所に、リゴレットが通りかかり彼らを警戒する。伯爵は隠れる。

リゴレット

(なんで我が家の近くに!)何をしているんだ?(暗くてよく見えないな。)

廷臣
この近くに伯爵の家があるのでここにいる。マントヴァ公爵のために伯爵夫人を盗む計画(嘘)だ。

リゴレット

(よかった。)それなら、協力しよう。

廷臣
私たちは覆面だが・・・

リゴレット

私にも覆面を貸してくれ。

廷臣
覆面を用意してある。はしごを押さえてくれ。

廷臣らは、リゴレットに覆面をつけながら、ハンカチで目隠しする。

リゴレット

よく見えないな。

廷臣ら
これで、奴は見えない、聞こえない。

(小声で)静かに、静かに。リゴレットの愛人を奪ってやる。奴は明日には宮廷の笑い者。

「静かに、静かに」Zitti, zitti

リゴレットに目隠しをしてはしごを押さえさせる。その間に、廷臣たちはリゴレットの娘ジルダを盗み連れ去る。

廷臣ら
(遠くから)私たちの勝利だ。

ジルダ

(遠くから)助けて。お父さん。

様子がおかしいのに気がつき、リゴレットが目隠しをとると、娘のハンカチが落ちていた。

リゴレット

これは、呪いのせいだ!!!

「リゴレット」第2幕の簡単な対訳 マントヴァ公爵に、ジルダが遊ばれる

マントヴァ公爵の屋敷・一室

部屋には、マントヴァ公爵と公爵夫人の肖像画が掛かっている。接見用の部屋。

公爵

あの娘が奪われた。ほんの少しの間に。私があの家に引き返せばよかったのに。天使はどこに行ったのか?

「あの娘が強奪された」Ella mi fu rapita!

彼女の涙が見えるようだ。清らかな娘が、連れ去られてしまった。私から奪ったのは誰だ。

見つけて処罰してやる。きっと泣いているに違いない。誘拐されるときに「グァティエル」の名前を呼んだだろう。

彼(偽名の伯爵本人)はあなたを救えなかった。彼はあなたの幸せを望んでいたのに。

「あの娘の涙が見えるようだ」Parmi veder de lagrime

廷臣たちが慌ただしく入ってくる。

廷臣ら
リゴレットの家から、奴の愛人を盗んできました。

公爵

その不憫な女はどこに?(私の愛する女だ。よかった。)

公爵はジルダに会いに出て行く。

廷臣ら
機嫌が悪かった公爵が、なぜご機嫌になったのか?

リゴレットが陽気なふりをして、部屋に現れる。

リゴレット

ララ、ララ、ララ。(娘はどこだ!)

廷臣ら
何かあったのか、道化よ。(不安そうな表情だな。)

リゴレットは歌いながら、ジルダがどこにいるか探ろうと部屋の中を必死で見ている。

リゴレット

マントヴァ公爵はまだ寝ているのか?

廷臣ら
お休み中だ。

小姓が部屋に入ってくる。

小姓
奥様が公爵をお呼びです。どこにおられますか?

廷臣ら
お休み中だ。

小姓
先ほどまで、あなたとここにおられたのに?

廷臣ら
狩りに出かけられたのだ。

リゴレットは、娘のジルダが公爵の屋敷の中にいると気がつく。

リゴレット

お前らが盗んだ若い娘を返せ。私の娘だ!

廷臣ども、いくらで私の娘を売り飛ばした。娘の名誉を守るためなら何でもする。娘を返してくれ!!

「悪魔め、鬼め」Cortigiani, vil razza dannata

隣の部屋からジルダが現れる。

ジルダ

お父さん。(泣いている)はずかしめを・・・

リゴレットは、廷臣たちに席を外すように頼む。

リゴレット

お願いだ。席を外してくれ。マントヴァ公爵が入ろうとしたら、私たちがいると言ってくれ。

ジルダ

以前から教会である若い男を見かけていたの・・・昨日の夕方に男が会いに来て愛の告白をしてくれた。その後、誰かに連れ去られて・・・

「いつも日曜に教会で」Tutte le feste al tempio

リゴレット

(神よ、私が落ちぶれようとも、娘を守ってくれるように祈ったのに。)娘よ、お泣き。私の胸で泣きなさい。

「娘よ、お泣き」Piangi, fanciulla

舞踏会の日に騒ぎを起こした老伯爵が、牢に入るために護衛されている。老伯爵は、マントヴァ公爵の肖像画を見て言う。

老伯爵
(肖像画に)公爵よ。お前には呪いが効きそうにないな。安泰で暮らせよ。

そう言って、衛兵に引かれていく。

リゴレット

いいや、それは違うぞ!私が必ず復讐してやる!!

ジルダ

マントヴァ公爵を許して。(裏切られたけれど、私はあの人を愛しているの。)

「リゴレット」第3幕の簡単な対訳 復讐、ジルダが思いも寄らぬ行動を

河畔にある、殺し屋の二階屋

リゴレットとジルダは、河岸にいる。近くには、おんぼろの二階建ての居酒屋兼住居がある。

リゴレットはジルダの恋心に呆れている。

リゴレット

まだ、公爵を愛しているのか?

ジルダ

私は彼を愛しています。

リゴレット

お前は、本当の公爵の姿を知らない。居酒屋の中を見てみるんだ。

ジルダに居酒屋の中を見せる。中には、軍人の格好をした、マントヴァ公爵。

公爵

女は気まぐれなもの。羽のようにふわりと変わる。哀れなのは、そんなものを信じる者だ。

「女心の歌」La Donna e Mobile

リゴレットの雇った殺し屋が公爵に酒を注ぎ、殺し屋の妹が公爵に口説かれている。

公爵

かつて、君に会ったことがあるよね。あの日から君を想っているよ。

「四重唱・美しい恋の娘よ」Un dì, se ben rammentomi

殺し屋の妹
あら、他の女たちを口説いていたのを知っているのよ。

公爵がナンパしているのを、隠れてみているジルダとリゴレット。

ジルダ

ああ、お父さん!

リゴレット

よくわかったかい、ジルダ。家に戻って、男装してからヴェローナに向かうのだ。私も明日には着くだろう。

ジルダ

今から一緒に行きましょう。

リゴレット

行きなさい。

リゴレットはその場に残り、ジルダが家に戻っていく。

マントヴァ公爵と殺し屋の妹が、楽しそうに騒いでいる。その後ろで、リゴレットが殺し屋に、公爵殺害の依頼と前金を渡す。

リゴレット

前金だ。残りは、仕事の後だ。真夜中に戻ってくる。

殺し屋
戻る必要はない。遺体を川に捨てるのは、ひとりで足りる。

リゴレット

いいや、それは自分でやる。

リゴレットは立ち去る。


雷雨がひどい、嵐の夜。居酒屋には、公爵、殺し屋の妹、殺し屋。酔いつぶれた公爵が眠りにつくと、殺し屋は準備に取りかかる。

殺し屋
嵐が来そうだ。

「三重唱」La tempesta è vicina!

殺し屋の妹
もうすぐ降りそうだわ。

公爵

ここに泊まっていこう。お前(殺し屋)にはほかの場所にでも寝てもらう。

殺し屋
ええ、どうぞ。俺の部屋でも何なりと。

公爵は眠りにつく。少し離れた場所で殺し屋と妹は、公爵が眠る様子を見ている。

殺し屋の妹
こんないい男を殺すのは勿体ないよ。兄さん。

外にジルダが現れてふたりの会話を聞いている。(ジルダは男装している)

ジルダ

(私は何をしているの?愛に引きずられて・・・お父さん、許して。)

殺し屋の妹
男(公爵)を生かして、金をせしめればいい。手軽な方法さ。依頼人(リゴレット)を殺して、金をもらっちまえ。

殺し屋
俺が盗人になっちまう。前金をもらっているし、裏切れない。

お前がそこまで言うなら、今夜12時までに、ここに来る者がいれば、そいつを殺して、身代わりになってもらう。

ジルダ

(マントヴァ公爵に裏切られたけれど、私はあの人を守りたい。)

ジルダは、ふたりがいる二階屋のドアをノックする。殺し屋と殺し屋の妹に迎え入れられる。


嵐の勢いが弱まった、夜12時。遠くで稲光が光っている。リゴレットが現れる。

リゴレット

復讐の時がやってきた!

「復讐の時が来た」Della vendetta alfin giunge l’istante!

殺し屋
あんたの敵は、この袋に入っている。金をくれ。一緒に川に運ぼう。

リゴレット

いいや、ひとりでやる。

殺し屋は家に戻り、リゴレットが河岸に遺体を捨てようと運んでいると、遠くから伯爵の声が聞こえてくる。

公爵

(声だけ)女は気まぐれなもの。羽のようにふわりと変わる。

リゴレット

伯爵の声・・・幻だろう。(また聞こえる)

盗人の殺し屋め、この袋の中は誰なんだ?(二階屋に向かって)

(稲光、袋を開けてみる。)娘だ。ありえない、ヴェローナに行ったはず。

(稲光)娘だ。

リゴレットが二階屋の扉を叩くが、誰も出てこない。

ジルダ

お父さん。公爵が恋しいの、身代わりなって死ぬわ。あの人を許して。

ジルダの死。

リゴレット

死んではいけない。ジルダ。私のジルダが!あの呪いだ!

リゴレットは娘の上に倒れる。

実際にオペラ「リゴレット」の舞台を観るなら

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