【スペードの女王】のあらすじ・チャイコフスキー

スペードの女王

「スペードの女王」は、チャイコフスキーの円熟期に書かれたオペラです。

オペラの原作となる、プーシキンの「スペードの女王」はロシア文学の重要作品のひとつと言われています。ドストエフスキーにも影響を与えました。

士官のゲルマン、老いた伯爵夫人、リーザが3人がオペラの主な人物です。「カード賭博に必ず勝つ、3枚のカードの秘密」を巡って、3人がそれぞれ運命に翻弄される話です。

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オペラ「スペードの女王」の簡単なあらすじ

若い士官「ゲルマン」がある女性(伯爵夫人の孫娘「リーザ」)に恋をする。だが、彼女には婚約者がいた。ゲルマンは仲間内の話で、伯爵夫人が「カード賭博に必ず勝つ、3枚のカード」を知っていると聞く。

ゲルマンとリーザは恋仲に。ゲルマンは秘密を聞こうとして、伯爵夫人を殺害。

死んだ伯爵夫人が亡霊となり、3枚のカードの秘密「3、7、エース」をゲルマンに教える。カードの魔力に取り付かれて、錯乱したゲルマンを見て、リーザは絶望して死ぬ。

ゲルマンは賭博場へ。「3、7、エース」と賭けるが、エースだと思ったカードは「スペードの女王」だった。すべてを失ったゲルマンは銃で自分の胸を撃ち抜く。

相関図と登場人物(ゲルマン・リーザ・伯爵夫人)

スペードの女王 相関図
ゲルマン士官テノール
リーザ伯爵夫人の孫娘ソプラノ

基本情報(作曲チャイコフスキー・ロシア語)

スペードの女王 Pique Dame The Queen of Spades

  • 作曲 チャイコフスキー
  • 初演 1890年12月19日 マテルブルク マリインスキー劇場
  • 原作 プーシキン「スペードの女王」小説
  • 台本 モデスト・チャイコフスキー(弟) ロシア語

【解説】オペラ「スペードの女王」の時代背景と地図

スペードの女王 地図

オペラの舞台「サンクトペテルブルグ」と「エカチェリーナ2世」

18世紀、ロシア帝国、エカチェリーナ2世の時代の話です。(日本は江戸時代)

エカチェリーナ2世と聞いて、オペラ好きの人はピンと来る人もいるかもしれません。

イタリアの作曲家「パイジェッロ」が、エカチェリーナ2世にサンクトペテルブルグに招待され、その8年間の間に、パイジェッロの「セヴィリアの理髪師 Il Barbiere di Siviglia」を完成させています。

エカチェリーナ2世が治めた時代は、ヨーロッパと肩を並べるべく、領土を拡大し、自国の文化の発展に力を注いだ、ロシア帝国の全盛期です。

オペラ「スペードの女王」の中で、舞踏会に女帝が現れる場面があり、エカチェリーナ2世を称える合唱が歌われます。

老伯爵夫人が、若い頃過ごした「パリ」

「ヨーロッパと肩を並べるべく」と書いたように、その当時のロシアの人にはヨーロッパは発展した国々であり、憧れでもありました。

オペラの中で老伯爵夫人は、パリを懐かしみ、フランス語で歌を口ずさむほどです。

「スペードの女王」プーシキンの原作小説とオペラの違い

エレツキー公爵リーザ、その後ゲルマン、賭けの後
原作なし別の男性と結婚精神病院へ
オペラリーザと婚約運河に身投げ自殺

オペラと原作は、細かい部分が結構違うのですが、一番の注目点はゲルマンがリーザを騙すつもりがあったのかどうかです。

原作
カードの秘密の話 → ゲルマン、伯爵夫人の家をうろつく → リーザをたぶらかす

オペラ
ゲルマンがリーザに一目惚れ → カードの秘密の話 → リーザと恋仲に

オペラと比べると原作の方は、ゲルマンがかなりの野心家に描かれています。そして、リーザ(原作ではリザヴェータ)は、伯爵夫人(性格悪い)にいびられて惨めな境遇の女性です。原作は全体的にどんよりと暗め。

スペードの女王第1幕・ゲルマンが「賭博に勝つカード」噂を聞く

第1場 ゲルマンは、令嬢リーザに密かな恋

ペテルブルクの公園

18世紀ロシア、夏(5月)、皆が太陽が出ていることに喜んでいる。子供たちが家庭教師に連れられて公園にやってきている。子供たちは兵隊ごっこをして遊ぶ。

士官の男ふたりが現れて、噂話を始める。「士官のゲルマンが賭け事を見るだけで、一度も賭けに参加したことがない。不気味に見ているだけなんだ。」「変なやつだな」

ゲルマンと、ゲルマンの友人であるトムスキー伯爵が来る。

トムスキー伯爵

朝まで賭博場に入り浸りとは君らしくないぞ。

ゲルマン

意気地がないが、どうしようもない。

今はそれより、恋をしているんだ。名前も知らない女性で・・・

トムスキー伯爵

勇気を出して交際を申し込めよ。

ゲルマン

いや、彼女は身分が高い。無理だ。でも諦められない!!

トムスキー伯爵

堅物のゲルマンがこんな恋をしているなんて、誰も信じないだろうな。
彼女は、君のことを知っているのか?彼女も君を好きかもしれないぞ。

ゲルマン

そうならいいが。もし彼女が僕のものにならないなら、僕は死ぬ。

公園に、エレツキー公爵が現れる。その場にいた人々が、エレツキー公爵の結婚を祝う。幸せなエレツキー公爵と、暗く沈むゲルマン。

エレツキー公爵、ご結婚が決まったそうで、おめでとうございます。

エレツキー公爵

ああ、ありがとう。

トムスキー伯爵

ところでどなたと結婚をなさるのですか?

伯爵夫人とリーザが現れる。エレツキー公爵は「リーザが婚約者だ」と紹介する。ゲルマンは、リーザをじっと見つめる。

ゲルマン

(僕が好きな女だ。エレツキー公爵の婚約者だって!ああ、神様)

リーザ

(ゲルマンを見て)以前にも見た男だわ。「謎めいた男」ね。

伯爵夫人

(ゲルマンを見て)なんと「不気味な男」なの。

それぞれの思いが交錯する中、伯爵夫人、リーザ、エレツキー公爵は立ち去る。


残ったのは、ゲルマン、ゲルマンの友人の伯爵、士官たち。彼らは、老いた伯爵夫人の噂話を始める。

トムスキー伯爵

昔、伯爵夫人は、パリで「モスクワのビーナス」と呼ばれるほど人気だった。夫人がはまったのは、カード賭博。

伯爵夫人は、カード賭博に必ず勝つ「3枚のカード」を知っていた。秘密を知るのは、ふたりだ。一人目は伯爵夫人の夫、二人目は彼女を誘惑した男。

夫人は亡霊に「カードの秘密を知ろうとする3人目の男によって、お前は死ぬ」と告げられたそうだ。

皆が「よく出来た作り話だ」と言い立ち去る。一人残ったゲルマンは呆然としている。急に暗くなり、雷雨になる。

ゲルマン

3枚のカードだって?そんなもの知ってどうなる。

こんな嵐なんて怖くない。いいか、公爵、必ずリーザを奪ってみせる!彼女を僕のものに!もしできなければ、死ぬだけだ。

第2場 リーザの部屋にゲルマンが忍び込み、ふたりは恋仲に

リーザの部屋

夜、リーザの部屋に友達たちが集まり、歌や踊りを披露する。リーザは楽しめない。友達は「婚約したのに、なぜそんなに顔が暗いの?」と聞く。

リーザ

落ち込んでいないわよ。嵐の後の素敵な夜よ。

「そんなに暗い顔をしていると、公爵に言うわよ」と茶化して友達は帰宅し、リーザは部屋に一人。

リーザ

なぜ涙が出るのかしら。憧れていた乙女の夢が叶うのよ。公爵は素晴らしい人なのに。なぜ、むなしさが・・・

夜よ、お前だけに秘密を打ち明けるわ。(謎めいた男、ゲルマンの)情熱的な瞳が忘れられない。

ゲルマンがリーザの部屋に忍び込む。驚くリーザ。

ゲルマン

お別れだけ言わせてください。すぐに立ち去りますので。死のうとしている男のお願いです。

リーザ

・・・出て行ってください。

ゲルマン

あなたが他の男性と結婚すると知りました。あなたなしでは生きていけない。死ぬ覚悟です。どうか、しばらくあなたといさせてください。

ゲルマンは熱心に口説き続け、リーザは涙を流してしまう。ゲルマンはその姿を見て驚く。

ゲルマン

どういう意味の涙なのですか。追い出さないのですか?

伯爵夫人がリーザの部屋を訪れる。ゲルマンが隠れる。

伯爵夫人

リーザ。こんな時間に眠らずに何の騒ぎ?早く寝なさい。

リーザは伯爵夫人を夫人の部屋に戻らせるために一緒に出て行く。ひとり、リーザの部屋に残ったゲルマン。

ゲルマン

(伯爵夫人だ・・・カードの秘密を聞き出そうとする男。3枚のカード!)

(もしカードの秘密を知り、大金を手に入れればリーザと結婚できるかも知れない・・・)

リーザが部屋に戻ってくる。

ゲルマン

許してください。数分前までは、死が私の望みだった。今は違う。あなたと共に生きて死にたいのです。

リーザ

私を破滅させないで。命令です。出て行って。

ゲルマン

それなら、私に死ねと言ってください。さようなら。

リーザ

やめて!!死なないで。私はあなたのものよ。

ゲルマンは「あなたを愛しています」と喜び、二人は幸福感に包まれる。

スペードの女王第2幕・ゲルマン、老伯爵夫人を殺害

第1場 リーザが、ゲルマンに自分の部屋に通じる鍵を渡す

仮面舞踏会

花火や劇の催しがある華やかな舞踏会。リーザやエレツキー公爵、士官たちが参加している。

士官たちと伯爵(ゲルマンの友人)が噂話をしている。「ゲルマンがふさいだり、陽気になったり、とにかく変だ。そして、3枚のカードの秘密に夢中だ」

トムスキー伯爵

3枚のカードの話を信じるほど、ゲルマンは愚かではないさ。

「いや、本人が言っていたんだ」ゲルマンの様子がおかしいと話ながら去って行く。


リーザとエレツキー公爵。リーザは浮かない表情をしている。

リーザ

・・・。

エレツキー公爵

話しておきたいことがあります。あなたを愛しています。
しかし、あなたにとって私は小さな存在なのですね。


ゲルマンが「リーザからの手紙」を持って現れる。

ゲルマン

(リーザからの手紙)
「余興の後、広間でお待ちください、お会いしたいです。」

彼女と会って、愚かな考えを捨てなければ。・・・3枚のカード。それが分かれば、金持ちだ。彼女と遠くに行ける。・・・いや、ダメだ。)

士官のふたりがゲルマンをからかうために現れる。彼らはゲルマンに耳打ちする。

「君じゃないのか、伯爵夫人の3枚のカードの秘密を聞き出そうとする3人目の男は」

ゲルマン

(さっきの男たちはなんだ。これは、現実か?!変になったんだ、俺は!)

余興に、牧歌劇「忠実な羊飼いの娘」が上演される。内容は「女ひとり、男ふたり。金持ち男と貧しい男。女は貧しい男を選ぶ。」というもの。劇は盛り上がる。

催しの劇から離れたところで、ゲルマンひとり。

ゲルマン

(リーザへの思いは愛じゃないのか。いや、愛に決まっている。)

ほら、お前の恋人だ。

(亡霊が伯爵夫人を連れている)

ゲルマン

(まただ、幻聴が聞こえる。なんて惨めで滑稽なんだ。)

ゲルマンのもとに、リーザが現れる。

リーザ

ゲルマン、ここにいたのね。これは我が家の庭にある秘密の扉の鍵よ。私の部屋を訪ねてきて欲しいの。あなたのものになりたいから・・・

この鍵を使って、お祖母さま(伯爵夫人)の部屋を通り、隣の私の部屋に来て。明日にでも・・・

ゲルマンが「今日がいい!!」と言い、ふたりは会う約束をして、リーザは立ち去る。

ゲルマン

よし、これで3枚のカードの秘密が聞けるぞ。


舞踏会に女王陛下が現れる。「エカチェリーナ様に栄光あれ(合唱)」

第2場 ゲルマンが老伯爵夫人に「カードの秘密」を聞こうと脅す

伯爵夫人の寝室

リーザからもらった鍵を使い、伯爵夫人の寝室に忍び込んだゲルマン。

ゲルマン

決めたんだ。伯爵夫人から秘密を聞き出すと。だが、3枚のカードの話が嘘なら、俺の妄想なら。

(伯爵夫人の肖像画を見て)伯爵夫人と俺は見えない力でつながっている気がする。俺と夫人、どちらかのせいでどちらかが死ぬだろう。

足音だ。人が来る。

ゲルマンは伯爵夫人の部屋の中で隠れる。

伯爵夫人の召使いとリーザが部屋に入ってくる。リーザと召使い(リーザと仲のよい)が話す。召使い「様子が変ですよ?どうなさったのです。もしかして・・・」

リーザ

そうなの。ゲルマンが私の部屋で待っているはずよ。私は彼を夫に選んだの。

伯爵夫人が部屋に入り、眠る準備を始める。召使いたちが口々に伯爵夫人を褒め称える。

伯爵夫人

召使いたちよ、お世辞はやめて。

今の社交界ってなんてつまらないこと。時代かしら。マナーがなっていない。昔はよかった。素晴らしい方たちばかりだったわ。

夜に彼と話しをするのが怖い。私は彼の言うことを聞きすぎるの。鼓動する私の心。なぜかはわからない。(フランス語)

伯爵夫人は召使いたちを部屋から追い出す。独り言を言いながら、眠りにつく。

伯爵夫人

夜に彼と話しをするのが怖い。私は彼の言うことを聞きすぎるの。鼓動する私の心。なぜかはわからない。(フランス語)

伯爵夫人が眠る。隠れていたゲルマンが、夫人に声を掛ける。夫人は突然の男の訪問に何も言えずおびえる。ゲルマンは最初は丁寧に頼むが、何も言わない伯爵夫人にしびれを切らして、まくしたてるように怒鳴りつける。

ゲルマン

どうか、怖がらないで。何もしません。お情けにおすがりしたいのです。3枚のカードの秘密を教えてください。

もしかしてその秘密は恐ろしい罪や悪い取引に関わったものではないですよね。あなたの罪は私が引き取ります。どうか教えて下さい。

老いぼれの魔女め。(ピストルを出す)

伯爵夫人は何も言わないまま、死ぬ。

ゲルマン

子供だましはやめてくれ。・・・死んでいる。秘密を聞けなかった。

隣の自室にいたリーザが物音を聞きつけて、伯爵夫人の部屋に入ってくる。

リーザ

何か物音がするわ?ゲルマン、ここにいたのね。

ゲルマン

死んでしまった。3枚のカードの秘密を聞けないまま。

リーザ

私に近づいたのは、3枚のカードの秘密のためなのね。出て行って。

ゲルマンは立ち去り、ショックを受けるリーザ。

スペードの女王3幕・ゲルマンの破滅

第1場 ゲルマンの元に、老伯爵夫人の亡霊がカードの秘密を教えに来る

兵営内のゲルマンの部屋

ゲルマンは「リーザからの手紙」を受け取っていた。

ゲルマン

(リーザからの手紙)
「私はあなたが伯爵夫人の死を望んだとは思っていません。今夜、運河のそばで待っています。真夜中までにあなたが来なければ、恐ろしい考えに従わなければなりません。」

気の毒な人だ。なんてことをしてしまった。

幻聴や幻覚が見えてパニックになるゲルマン。

ゲルマン

やめてくれ!怖い!

伯爵夫人の亡霊が現れる。

伯爵夫人

私は望んでここに来たのではない。あるものに「お前の望みを叶えてやれ」と命令されてきた。リーザを救いなさい。あの子と結婚しなさい。
3枚のカードを順番に張れば勝ちます。3、7、エース。

伯爵夫人の亡霊が消える。

ゲルマン

3・・・7・・・エース

第2場 カードに取り付かれたゲルマンが錯乱、リーザの自殺

運河のほとり

真夜中の薄暗い運河のほとりで、一人でゲルマンを待っているリーザ。

リーザ

もうすぐ真夜中、ゲルマンは来ない・・・いいえ!!彼は来る。彼を信じたい。

ああ、真夜中になったわ。彼は来ない。私は悪党に運命を捧げてしまった。人殺しに、悪魔に。

ゲルマンが訪れる。リーザは喜ぶが、ゲルマンはカードの秘密を知ったために気もそぞろ。

リーザ

ゲルマン、来てくれたのね。苦しみは終わったわ。

ゲルマン

会えて嬉しい。苦しみを乗り越えて一緒にいよう。

でも、急がなければ、賭博場に。

リーザ

どうしたの、ゲルマン。あなた変よ!!

ゲルマン

(正気でない様子でぶつぶつ言いながら)
老いぼれの魔女で、強情な老女だった。今になって俺のもとに教えに来てくれたんだ。

リーザ

・・・あなたが伯爵夫人を殺したのね。

ゲルマン

(正気ではない様子で)違う。ピストルを取り出しただけだ。そうしたら、魔女が倒れた。

リーザ

それが事実なのね。私は悪党に運命をゆだねてしまった。

正気に戻ってゲルマン。あなたが誰でもいいわ。一緒に逃げましょう。

ゲルマン

(リーザを見て)あっちに行け。お前は誰だ・・・知らない女め。

ゲルマンはリーザを突き飛ばして走り去る。

リーザ

彼は破滅した。私も一緒に。

リーザは運河に身を投げる。

第3場 賭博場へ。スペードの女王の罠、ゲルマンの破滅

賭博場

陽気に遊ぶ人たち。士官たちやゲルマンの友人の伯爵がいる。そこに、リーザと婚約していた、エレツキー公爵も来ている。

トムスキー伯爵

公爵殿。賭博場で会うなんて、初めてじゃないか。

エレツキー公爵

「愛に不運な者は、勝負に強い」というからね。リーザと婚約を解消したんだ。これ以上は聞かないでくれ。ここにきたのは復讐のためさ。

士官たちに頼まれて、トムスキー伯爵が歌を歌い出す。続いてみんなで、賭博者の歌を歌う。

ゲルマンが賭博場にやって来る。エレツキー公爵はゲルマンを見て。

エレツキー公爵

ゲルマンが来たな。私が思ったとおりだ。決闘になったときの介添人が必要かもしれない。

ゲルマンを見て、皆が口々に言う。「どこにいたんだ、酷い顔色だぞ。」「まるで地獄にいたみたいだ。」

ゲルマン

俺も賭けに参加させてくれ。

これまで一度も賭け事をしたことがないゲルマンが賭けに参加すると言い、みんなが驚く。「これは驚いた。」「ゲルマンが賭けをするとは」

ゲルマン

賭けさせてくれ。3だ。

ゲルマンは賭けに勝つ。勝つまでは半信半疑だったゲルマンは、「夫人の言葉は本当だった」と驚き喜ぶ。

人々(コーラス)

ゲルマンの様子がおかしい。何か悪いことが起こりそうだ。

ゲルマン

もっと賭けよう。次は7だ。

またも、ゲルマンは賭けに勝つ。ゲルマンの狂気に満ちた喜び方に、皆が不気味がる。

人々(コーラス)

ゲルマンは普通じゃない。

ゲルマン

俺たちの命は、ゲームのようなものだ。仕事も名誉も幻だ。幸運の一瞬を掴むんだ。

さあ、賭けを続けようじゃないか。

胴元

お断りだ。お前は悪魔と手を組んでいる。

ゲルマン

誰かやらないか?俺の有り金すべてを賭ける。

エレツキー公爵

私がやろう。

人々(コーラス)

公爵、やめなさい。これは勝負じゃない。無謀だ。

エレツキー公爵

自分がしていることはわかっている。ヤツには貸しがあるんだ。

ゲルマン

あなたがやるのか・・・いいだろう。次は、エースだ。

やった!!勝ったぞ。今回も俺の勝ちだ。

エレツキー公爵

いや、君のカードはクイーンじゃないか。

君が持っているのは「スペードの女王」だ。

ゲルマン

エースに賭けたのに、なぜクイーンが俺の手に!!!

この女王は、伯爵夫人だ。

あのばあさん。俺を笑ってやがる。俺の命が欲しいのか。ならくれてやる。

ゲルマンは、ピストルで胸を撃つ。賭博場が騒然となる。

人々(コーラス)

憐れなヤツだ。運命にもてあそばれて、命を絶つなんて。

ゲルマン

エレツキー公爵、許してください。

・・・苦しい。あれはリーザ。君がどうしてここに。なぜ。俺を許してくれるんだね。ああ、美しい人よ。

リーザの幻覚を見ながら、ゲルマンは死ぬ。

人々(コーラス)

神よ、彼を許したまえ。乱れ騒ぎ、苦しみ悩んだ魂に安らぎを。

実際にオペラ「スペードの女王」の舞台を観るなら

日本ではあまり公演の機会がありませんが、映画館で「スペードの女王」を観ることができます。(上映は不定期)

【公式】英国ロイヤル・オペラ「スペードの女王」の公演情報

おすすめ「スペードの女王」のDVD

2018年、ザルツブルク祝祭大劇場。

ヤンソンス指揮ウィーン・フィルの演奏です。

「スペードの女王」の次に観たいオペラ・エフゲニー・オネーギン

チャイコフスキーのオペラと言えば、「スペードの女王」よりも「エフゲニー・オネーギン」の方が有名です。

エフゲニー・オネーギン・・・少女が大人になる話
スペードの女王・・・カード賭博に人生を賭ける男の話

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