道化師【鳥の歌・大空をはれやかに】歌詞と対訳|Qual fiamma avea nel guardo

道化師・第1幕

ネッダは、孤児であり、幼い頃に拾われた旅一座の中で育ち、座長のカニオと結婚しました。オペラ「道化師」では、狭い世界で育ったネッダは成長するにつれ、外の世界を知り、夫とは別に「新しい恋人」が出来ている状態です。

空を自由に飛ぶ鳥を目にして、自由への憧れを歌うのが、「鳥の歌・大空をはれやかに」です。

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「鳥の歌」Qual fiamma avea nel guardo 歌詞と日本語訳

Qual fiamma avea nel guardo!
Gli occhi abbassai per tema ch’ei leggesse
il mio pensier segreto!
Oh! s’ei mi sorprendesse…
bruttale come egli è!

Ma basti, orvia.
Son questi sogni paurosi e fole!
O che bel sole di mezz’agosto!
Io son piena di vita,
e, tutta illanguidita per arcano desìo,
non so che bramo!

ネッダ

彼の視線には、なんと炎があったのでしょう!
彼が読むのではないかと恐れて、目を下げた
私の秘密の心のうちを!
ああ!もし彼に現場を見つかってしまったら…
どんなに凶暴になるか!

でも、今はやめましょう。
そんな恐ろしくて、愚かな考えは!
ああ、何て美しい八月中旬の太陽でしょう!
私は活気に満ちています。
だから、不可解な願いに苦しんでいる。
何が欲しいのかわからない!

Oh! che volo d’augelli,
e quante strida!
Che chiedon? dove van? chissà!
La mamma mia, che la buona ventura annunziava,
comprendeva il lor canto
e a me bambina così cantava:

ネッダ

ああ!鳥たちは飛び回り、
そしてたくさんの鳴き声!
何を求めてるの?どこへ行くの?誰が知るのか!
私の母さんは、運命を当ててくれた。
鳥たちの歌が分かっていたの。
だから子供だった私に、歌ってくれた。

Stridono lassù, liberamente
lanciati a vol, a vol come frecce, gli augel.
Disfidano le nubi e’l sol cocente,
e vanno, e vanno per le vie del ciel.
Lasciateli vagar per l’atmosfera,
questi assetati d’azzurro e di splendor:
seguono anch’essi un sogno, una chimera,
e vanno, e vanno fra le nubi d’or!

ネッダ

鳥たちは自由に鳴き、
矢のように飛び回るわ。
雲や焼けつく太陽に逆らって
彼らは飛び、天国の道を通り抜けるわ。
好きなところを飛び回らせて、
青く輝きのある空を求める彼らよ。
彼らも、夢、幻を求めて、
そして彼らは飛び、黄金の雲の間を行くのです。

Che incalzi il vento e latri la tempesta,
con l’ali aperte san tutto sfidar;
la pioggia i lampi, nulla mai li arresta,
e vanno, e vanno sugli abissi e i mar.
Vanno laggiù verso un paese strano
che sognan forse e che cercano in van.
Ma i boèmi del ciel, seguon l’arcano poter
che li sospinge… e van! e van! e van! e van!

ネッダ

風が吹き荒れ、嵐がうなり声をあげても
広げた翼ですべてに立ち向かうのです。
雨も稲妻も、彼らを止めるものは何もない。
そして彼らは飛び、深淵や海を越えてます。
不思議の国へと行くのです。
たぶん幻よ。彼らは探し求めているけれど。
でも、空のボヘミアンは、神秘の力に従って
力を受けて…そして飛ぶの!飛んでいくの!

ネッダの「arcano desìo」とは何?下ネタじゃないと思うよ!

arcano desìo 性的な欲望なのか、自立への願いなのか

Io son piena di vita,
e, tutta illanguidita per arcano desìo,
non so che bramo!

私は活気に満ちています。
だから、不可解な願いに苦しんでいる。
何が欲しいのかわからない!

arcano desìo は、二通りの解釈できます。ひとつは、女の欲望、ひとつは、自立(自由)への願い。

「私は若いの、女の欲望でむらむらしている」
「私は若いの、束縛されたくない、自由になりたいの」

arcano desìo の訳で、違ってくるのです。

arcano ・・・ 隠された、不可解な、神秘的な、秘密の
desìo = desiderio ・・・ 欲求、欲望、願い

arcano desìo の部分をどう訳すかは、上の組み合わせ次第。

秘密の欲望、隠された欲求 ・・・女の欲望
不可解な願い、神秘的な欲求 ・・・自由への願い

ネッダの「自我の芽生え」からくる「自立(自由)への願い」

私は、ネッダの「自我の芽生え」からくる「自立への願い」かな、と思っています。大人に成長し、旅一座以外の環境を知ったことで、ネッダから芽生えた自己主張です。

カニオたちの影響下にあった自我 → 後天的に自分で確立した自我

そのことを表すように、ネッダが母さんが歌ってくれた歌として、鳥が自由に飛び、桃源郷を求めるさまを歌っています。

arcano desìoを「女の欲望」と訳すと次の「母の鳥の歌」につながりにくいですし、「自由への願い」として訳した方が自然です。

もちろん、解釈は自由なので、お好みで道化師を楽しみましょう!

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