ローエングリン|あらすじと簡単解説・ワーグナー

「ローエングリン」は、ワーグナーの最後のオペラです。ローエングリン以降の作品は、「楽劇」と呼びます。

女性の夢に出てきた、「白鳥の騎士」が現実に現れる
ローエングリンには、結婚式でよく使われる「結婚行進曲」が劇中に出てくる

ナチスドイツに利用された言葉として有名な「ドイツの国のために、ドイツの剣を」Für deutsches Land das deutsche Schwert! も出てきます。

ローエングリンの見どころ、聴きどころとしては、「名乗りの歌・グラール語り・遙かな国に」In fernem Land、「別れの歌・愛しい白鳥よ」Mein lieber Schwan!、「エルザの夢」Einsam in trüben Tagen があります。

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オペラ・歌劇「ローエングリン」の簡単なあらすじ

舞台前の出来事

ブラバント公国で、領主の死後、二人の姉弟が残される。姉は、ブラバントの公女、エルザ、弟は、領主の世継ぎ、ゴットフリート。テルラムント伯爵は、エルザに求婚するが振られて、オルトルートという魔女と結婚する。

表向き・・・エルザと弟が森に出かけて、エルザが一人で戻ってきた
実は・・・・伯爵と魔女が、弟を行方不明にした(魔女が弟を白鳥にした)

ここから、ローエングリンの本編

ブラバント公国に、ドイツ国王が、兵を集めるために訪問。伯爵は、「エルザが弟を殺したようなので、告発したい。さらに、自分を領主に任命して欲しい。」とドイツ国王に申し立てる。

ドイツ国王はエルザを呼ぶ。エルザは、「夢で白鳥の騎士を見た。彼が私の代わりに、伯爵と戦ってくれる」という。両者の言い分に証拠がないため、神明裁判をすることになる。

白鳥を引き連れた騎士が現れる。騎士はエルザに、「自分の名前と素性を聞かない」ことを条件に、伯爵と戦うことになる。騎士が勝ち、伯爵の命は助けることにする。

伯爵の妻である、魔女は、エルザに騎士の素性が怪しいと、疑いを持たせる。魔女が騎士に名前を聞くと、「私に名前を聞いてよいのはエルザだけ、他の者の質問には答えない」という。エルザと騎士は結婚式を挙げる。

結婚式後、エルザは騎士に名前を聞いてしまう。二人の部屋に伯爵が討ち入り、騎士が伯爵を殺す。

騎士は、みんなの前で「私は、ローエングリン。素性が知られれば、元の国に帰らないといけない」という。白鳥が弟に戻り、魔女の悪事がばれる。騎士が去り、エルザは、死ぬ。

相関図と登場人物(ローエングリン、エルザ、オルトルート)

ローエングリンの相関図
オペラ「ローエングリン」の相関図・タップで拡大表示
ローエングリン白鳥の騎士テノール
エルザブラバントの公女ソプラノ
オルトルート魔女メゾソプラノ
テルラムントブラバントの伯爵バリトン
ハインリヒドイツ王バス
ゴットフリートエルザの弟黙役

作曲ワーグナー・初演・原作・台本・上演時間

Lohengrin ローエングリン

  • 作曲 ワーグナー
  • 初演 1850年8月28日 ワイマール宮廷劇場
  • 原作 ヴォルフラム・フォン・エッシェンバッハ「パルツィファル」
    コンラート・フォン・ヴェルツブルク「白馬の騎士」
    ドイツ「ローエングリン叙事詩」ほか
  • 台本 リヒャルト・ワーグナー ドイツ語
  • 上演時間 3時間40分(第1幕65分 第2幕85分 第3幕70分)

【解説】ローエングリンに出てくる「神明裁判」とは?

神明裁判とは、「両者の間でトラブルがあるが、証拠がなく、判断がつかない」ときに、神の判断を仰ぐために行われる裁判方法です。宗教や時代によってやりかたは、異なります。

適用範囲は、身分が低い者、評判が悪い者、性犯罪を調べるため、異端の者。魔女裁判も含まれます。

片方が、裁判集会に相手を呼び出してから、始まる。

呼び出された側が、相手の主張を認めるか、否定するか。

否定した場合、雪冤宣誓(訴えられた者が自分の人格を保証する人を12人集める)で、成功か、失敗か。

失敗した場合、神明裁判が行われる。

ローエングリンの神明裁判は、「決闘をして勝った方を勝者とする。代理を立ててもよい。」となっています。

「ローエングリン」第1幕の簡単な対訳 エルザが夢に見た、白鳥の騎士

前奏曲

アントワープ郊外のシェルデ河畔

ブラバント公国に、ドイツ国王が訪問している。ハンガリーと戦うため、兵の募集に来たのだ。

王の伝令
聞くがいい、ブラバントの伯爵、貴族、民よ。ドイツ王ハインリヒが来られる。

「聞くがいい」Hört! Grafen, Edle, Freie von Brabant!

ブラバントの男たち
よくぞ、来られました。

ハインリヒ王
ブラバントの親愛なる民たちよ、神のご加護を。ドイツは危機にある。東方の敵に備えなければならない。

ブラバントに、兵を要請しに来た。だが、ブラバントは領主が決まらず、反目しあっていると聞いている。だから、私はあなたを呼んだ。テルラムント伯爵。この不和の原因を教えてくれ。

「ブラバントの民よ、神のご加護を」Gott grüss’ euch, liebe Männer von Brabant!

公国中の貴族や兵たちが集まっている中、伯爵がドイツ国王に申し立てる。

テルラムント伯爵
王よ、裁きに来て頂きありがとうございます。私はブラバントの領主が亡くなった後、二人の子供を委ねられました。娘のエルザと、息子のゴットフリートです。

ある日ふたりが森に出かけた後、エルザだけが戻りました。エルザは何も言わず、少年は見つかりませんでした。

私は、亡き領主からエルザの婚約者と決められていましたが、婚約を辞退して、オルトルートという娘を娶りました。

ここにエルザの弟殺しの罪を告発したい。また、公国を治める権利がある私を、領主に任命して欲しい。

「王よ、裁きに来て頂きありがとうございます」Dank, König, dir, dass du zu richten kamst!

ドイツ国王は、ブラバント公国の公女、エルザを呼ぶ。

エルザ

暗い孤独の中で、神に祈りました。私の嘆きははるか遠くに響きました。そして、甘い眠りに落ちたのです。光の武器が輝く騎士が近づいてきました。私を慰めてくれました。夢の中で見た、騎士が私のために戦ってくれます。

「エルザの夢」Einsam in trüben Tagen

エルザの発言を聞いて、周囲が「まだ夢を見ているような、どこか様子が変なエルザ」を見て不審に思っている。

ドイツ国王はエルザと伯爵のどちらが正しいのかわからないため、神明裁判で、伯爵とエルザの代表者が戦うことで、どちらが正しいか、神に判断してもらうことにする。

神明裁判をするための、ラッパが鳴る。誰も来ないかと思われたときに、白鳥のひいた船に乗って騎士がやってくる。

男たち
見よ!なんという不思議。

「合唱・見よ、何たる不思議」Seht! Seht! Welch ein seltsam Wunder!

ローエングリン

さあ、感謝を捧げよう、愛しい白鳥よ。

「感謝を捧げよう、愛しい白鳥よ」Nun sei bedankt, mein lieber Schwan!

白鳥が去る。

ローエングリン

エルザのために戦います。戦いに勝った際には、結婚しましょう。ただ、ひとつ約束してほしい。「私の名前や素性を、決して聞いてはいけない」

「決して私に質問してはいけない」Nie sollst du mich befragen

エルザ

わかりました。

ローエングリン

エルザ、愛しています。

人々
何という奇跡を見ているのだろうか?

「合唱」Welch holde Wunder muss ich sehen?

神明裁判が行われる。

ハインリヒ王
神よ、私はあなたに呼びかける。さあ、あなたの真の審判を。

「神よ、あなたに呼びかける」Mein Herr und Gott, dich rufe ich!

男たち
純粋な腕に英雄的な力を与えてください。あなたの本当の裁きを下さい。

女たち
神よ、彼に祝福を。

白鳥の騎士は、伯爵と戦い、勝つ。

ローエングリン

伯爵よ。神の判断により、お前の命は私のものだ。命だけは助けよう。

ドイツ国王は白鳥の騎士を祝福。伯爵夫婦が悔しがる。

「ローエングリン」第2幕の簡単な対訳 エルザは「騎士への疑念」をもつ

前奏曲

アントワープの城内

夜。伯爵と妻である、魔女オルトルートは、くやしがっている。

テルラムント伯爵
起きろ、恥の道ずれめ。我らはこの地で朝を迎えることはできない。

「起きろ、恥の道ずれめ」Erhebe dich, Genossin meiner Schmach!

オルトルート

私はここを離れることはできない。敵の宴に、恐ろしい猛毒を吸わせてやろう。私たちの恥と彼らの喜びを終わらせてやる。

テルラムント伯爵
名誉や名声を失い、これからどうしたらいいのか。お前を信じたばかりに、こんなことに!

森に住んでいたおまえが、「エルザが、弟を沼で殺しているのを見た」と言ったのだぞ。

さらに「あなたこそ領主がふさわしい」と私にささやき、結局お前と結婚するはめになってしまった!

オルトルート

私を罵ってどうするの?あんな男など扱い方がわかれば、大したことない。彼は子供よりも弱いわ。

テルラムント伯爵
弱いだと?神の力の強さを感じたぞ。(身震いしながら)野生の占い師よ、お前はまた私をたぶらかそうとしているのか?

「野生の占い師よ」Du wilde Seherin

オルトルート

いいことを教えてあげるわ。あの騎士は「私の名前と素性を聞くな」と言っていたわ。きっと名前を知られれば、すべての力を失ってしまうのよ。

その質問を禁止したのは、あの女、エルザだけ。彼女が、質問さえすれば、こっちのものよ!!

あの男は、魔法の力で強くなっていたのだろう。ああ、あの決闘の時、あなたが彼の体を指一本でも傷つけていたら、意のままに操れたのに。

テルラムント伯爵
恐ろしい、なんてことを聞いたんだ。私は神の裁きに負けたと思っていたが、魔術師の策略で私は名誉を失ったのだな。男の策略を暴いて、私の名誉を新たに得ることができるだろうか?

オルトルート

オルトルートとテルラムント伯爵
今こそ復讐の成功を念じよう。甘い眠りに落ちているお前らを、災いが見ていることを知るがいい。

「二重唱」Der Rache Werk sei nun beschworen

エルザは、ひとりでバルコニーにいる。

エルザ

そよ風よ、あなたがこれまで私の嘆きを包んでくれた。

「そよ風のアリア」Euch Lüften, die mein Klagen so traurig oft erfüllt

エルザを見つけた魔女は、夫を追い払い、ひとりでエルザに話しかける。

オルトルート

エルザ!夫が不幸な妄想のために、あなたを陥れて申し訳ありません。罪を償うために、生きているのです。

エルザ

そんな…待っていて。あなたを入れてあげるわ。

エルザが立ち去り、オルトルートがひとりになる。

オルトルート

冒涜された神々! 私の復讐を手伝ってください。ここで行われた不名誉を罰してください。ヴォータン、あなたに呼びかけます。フライア、お聞き入れを!

「冒涜された神々よ」Entweihte Götter!

ワーグナーの後の作品、楽劇「ニーベルングの指環」に登場する、ヴォータン(神々の長)、フライア(美の女神)の神の名前。

エルザが戻る。

エルザ

どこにいるの?みじめなあなたを見ていると、胸が詰まりそう。明日の朝、騎士に慈悲を求めてみます。

オルトルート

お礼は何も出来ないけれど、あなたに助言します。幸せに目をくらませないでください。あなたに災いがふりかからないように。

エルザ

災いとは?

オルトルート

不可思議な現れ方をし、名前も素性もわからない騎士が、突然去ることがないとでも?

エルザ

エルザの心に、少しの疑念が生まれるが、振り払う。)

哀れな人、あなたにはわからないでしょう。純粋に人を信じる喜びを、あなたにも教えてあげます。

「あなたにはわからないでしょう」Du Ärmste kannst wohl nie ermessen

朝。王の伝令が次のことを言う。「伯爵の追放の刑が決定した。エルザと騎士の結婚式を行う。騎士は領主になることを固辞したので、ブラバント公国の守護者として、戦にでることになった」

城内に、貴族や兵士たちが集まっている。

貴族たち
朝になるとラッパが我らを集める。

「合唱」In Frühn versammelt uns der Ruf

伯爵が現れ、自分の元家臣たちに「大胆なことをやるつもりだ」と言って、彼らとその場を離れる。

豪華なドレスを着た、女性たちの長い行列。エルザの大聖堂への行列

貴族の男たち
祝福された彼女が歩く。謙虚に長く苦しんだ人だ。神様が彼女を導いてくださいますように。神よ、彼女の一歩を守ってください。

「合唱」Gesegnet soll sie schreiten

エルザは彼女たちと共に、結婚のために教会へ向かう。行列の最後にいた魔女が、エルザに走り寄る。

オルトルート

もう我慢できない。あなたの侍女になんて、なれるものですか。

エルザ

私は、あなたの夜の振る舞いにだまされたのね。

オルトルート

私の夫は、この国では、名前も素性も知られ、尊敬されていた。

あなたの夫は、誰も名前を知らず、あなたも彼の名前を知らない。どのような素性で、どこから来て、どこへ帰るのか?

魔法で力を得ているから、言えないのだわ。

エルザ

なんて酷いことを言うの。

ドイツ国王や白鳥の騎士、貴族たちが行列を作ってやってくる。女性たちの行列が教会まで進まずに、止まっているのに驚いている。

エルザ

私を救ってくれた人よ。オルトルートが「あなたのことを信じすぎている」というのです。

ローエングリン

悩む彼女を見なければならないのか。

「悩む彼女を見なければならないのか」In wildem Brüten muss ich sie gewahren!

魔女が去り、ドイツ国王と白鳥の騎士、エルザが、教会に進もうとすると、今度は伯爵がやってくる。

テルラムント伯爵
私は、この男の魔法の力に負けたのです。

名前も素性もわからない、あやしいやつ。野生の白鳥が船をひく、なんてことがあるのは、おかしい。

ローエングリン

おまえにも、王の問いにも、答えない。

私が質問に答えないといけないひとは、ただひとり、エルザ。

ハインリヒ王
勇者よ、不届き者には毅然と立ち向かえ。伯爵の疑いを避けるには、あなたは高貴すぎるのだ。

「勇者よ」Mein Held

伯爵がエルザに駆け寄り、小声で話しかける。

テルラムント伯爵の小声
エルザ!!私を信じてください。彼の体を少し傷つければ、彼の隠し事はなくなり、あなたのそばにいるでしょう。夜にまた訪ねます。呼んでくれれば駆けつける。

白鳥の騎士が、二人の様子に気がついて、伯爵を追い払う。

ローエングリン

私たちの幸福は、あなたにかかっている。私への疑いは、ありますか?問いは、ありますか?

エルザ

私の愛は、疑いなど、ものともしません。

多くの人たちに祝福されて、ふたりは、教会の入り口へ進む。

「ローエングリン」第3幕の簡単な対訳 騎士は帰り、エルザは死ぬ

第1場 エルザが白鳥の騎士に、素性を聞く

前奏曲

新婚の部屋

新郎新婦の寝室。遠くから、「婚礼の合唱」が聞こえる。結婚行進曲

男女
真心に導かれて行きなさい、愛の祝福があなたを守る場所へ。勇気を出して愛を勝ち取り、最も祝福された二人は忠誠を誓い会うのだ。

「婚礼の合唱」Treulich geführt ziehet dahin

エルザを中心にした女性の行列と、白鳥の騎士を中心とした男性の行列が、部屋に入ってくる。ドイツ国王が二人を祝福して去る。エルザと白鳥の騎士は、二人きりになる。

エルザ

私の心があなたのために甘く燃えているのを感じます。神様だけが与えてくれる喜びを、吸い込むのです。

「二重唱」Fühl’ ich zu dir so süss mein Herz entbrennen

ローエングリン

あなたが幸せを感じているならば、あなたは私に天国の至福を与えてくれるのですよ。

エルザ

これはただの愛ですか?何と呼べばいいのでしょう。言葉にならないほどの至福の時をもたらしてくれます。でも残念ながら、あなたの名前を知ることはできませんが。私は最愛の人の名を呼ぶことができない。

ローエングリン

エルザ!あなたは私と一緒に甘い香りを吸わないのでしょうか?何と甘美な感覚に酔いしれることでしょう。不可思議な魔法でにより、あなたと結ばれているのです。初めて会った時、私はあなたの素性を知る必要がなかった。あなたの純粋さが私を魅了したのです。

「私と共に吸う甘い香りを感じないのか」Atmest du nicht mit mir die süssen Düfte?

エルザ

あなたにとって、価値のある存在なら、秘密を教えて欲しい。全世界に黙っていないといけない、暗い秘密なのですか?

ローエングリン

(厳かに真剣に、数歩下がる)あなたはすでに私を信頼してくれています。私はあなたの誓いを喜んで信用しますよ。

あなたの誓い(名前を聞かない誓い)が揺らがないからこそ、どの女性よりもあなたに価値を感じています。

私を疑う必要はないのです。夜の世界から来たのではなく、輝く喜びの世界から来たのですから。

「あなたはすでに私を信頼してくれている」Höchstes Vertraun hast du mir schon zu danken

エルザ

そんなにも、魅力的な国からやってきたのね。それならば、すぐに去ってしまうかもしれない。

私への愛が冷めて、いなくなってしまったら?あなたがいてくれる保証がどこにあるの?疑いが止まらない。

あなたの名前と素性を、教えてください。

部屋に、伯爵と家臣たちが押し入ってくる。白鳥の騎士が、伯爵を殺す。エルザは気絶。

ローエングリン

私たちの幸せは、全て消え去った。

騎士は、女官たちに、「エルザの衣装を整えるように」と言って、部屋から出て行く。

第2場 騎士は去り、代わりにエルザの弟が戻る

シェルデ河畔

ドイツ国王と、民衆たちが集まっている。

男たち
ハインリヒ王、万歳。

ハインリヒ王
ブラバントの人々に感謝する。誇らしげに胸を熱くした。今、王国に敵が近づいているが、勇気を持って彼を迎え討とう。ドイツの国のために、ドイツの剣を!

「ドイツの国のために、ドイツの剣を」Für deutsches Land das deutsche Schwert!

男たち
ドイツの国のために、ドイツの剣を!

「ドイツの国のために、ドイツの剣を」Für deutsches Land das deutsche Schwert!
ナチスドイツに利用された言葉。

伯爵の遺体が運ばれる。エルザが顔面蒼白で、女官らに連れられてやってくる。

ローエングリン

ドイツ国王。私は、あなたと一緒に戦うことができません。昨夜、伯爵に押し入られ、彼を打ち倒しました。そして、エルザは、私の名前と素性を聞いてしまったのです。

皆がざわつき、エルザが約束を破り、質問をしてしまったことに驚いている。

ローエングリン

あなた方が、近づくことの出来ない国。そこには城がある。聖杯の城の王、パルツィヴァルの息子、ローエングリンだ。

「名乗りの歌・グラール語り・遙かな国に」In fernem Land

ローエングリン

エルザ。もはや、私は去るしかありません。

エルザは、必死に残ってくれるように頼む。岸辺に、白鳥がやってくる。

ローエングリン

愛しい白鳥よ、来てくれてありがとう。あと一年経てば、あなたも別の姿になっていたのに。

エルザ。あと一年でも、あなたを見守りたかった。弟は、いずれ帰ってきます。さようなら、お元気で。

「別れの歌・愛しい白鳥よ」Mein lieber Schwan!

ローエングリンは、岸辺に走っていく。

オルトルート

帰れ!帰れ!愚かなエルザに教えてあげよう。

私は、船をひいている白鳥が誰なのか、わかっていたのよ。白鳥がブラバント公国の世継ぎ(エルザの弟)だと。

エルザ。騎士を追い払ってくれてありがとう。騎士は、白鳥と共に、帰って行くのさ!

「帰るがいい」Fahr heim!

魔女の言葉を聞いていたローエングリン。彼が祈りを捧げると、白鳥が弟に戻る。それを見た魔女は、倒れ込む。

弟とエルザの再会。ローエングリンは去って行く。エルザは、弟の腕の中で亡くなる。

実際に「ローエングリン」の舞台を観るなら

2016年に新国立劇場で公演がありました。サイトで写真などが見られます。

【公式】新国立劇場オペラ「ローエングリン」の公演情報

「ローエングリン」のおすすめDVD

2009年、バイエルン国立歌劇場。

ローエングリンは、ヨナス・カウフマン。

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