ドン・ジョヴァンニ【カタログの歌】歌詞と対訳|Madamina, il catalogo è questo

ドン・ジョヴァンニ カタログの歌

ドン・ジョヴァンニ・第1幕

遊び人ジョバンニを追ってきた、昔の女エルヴィラに「ドン・ジョヴァンニとはこういう男です」と説明する、従者レポレッロの歌です。

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「カタログの歌」Madamina, il catalogo è questo【歌詞と対訳】

Madamina, il catalogo è questo
delle belle che amò il padron mio;
un catalogo egli è che ho fatt’io;
osservate, leggete con me.

In Italia seicento e quaranta;
in Almagna duecento e trentuna;
cento in Francia, in Turchia novantuna;
ma in Ispagna son già mille e tre.

V’han fra queste contadine,
cameriere, cittadine,
v’han contesse, baronesse,
marchesine, principesse,
e v’han donne d’ogni grado,
d’ogni forma, d’ogni età.

レポレッロ

奥さん、これがそのカタログです。
私のご主人様が愛した女たちのね
これは、私が作ったカタログですよ
ご覧ください。一緒に読んでくださいな。

イタリアでは600と40人
ドイツでは200と31人
フランスでは100人、トルコでは91人
ですが、スペインではすでに1000人と3人

その中には、村娘
女中に町娘
伯爵夫人に男爵夫人
侯爵夫人に公爵夫人まで
あらゆる身分の女性がいます。
あらゆる容姿、あらゆる年齢の

Nella bionda egli ha l’usanza
di lodar la gentilezza,
nella bruna la costanza,
nella bianca la dolcezza.

Vuol d’inverno la grassotta,
vuol d’estate la magrotta;
è la grande maestosa,
la piccina e ognor vezzosa.

Delle vecchie fa conquista
pel piacer di porle in lista;
sua passion predominante
è la giovin principiante.

Non si picca se sia ricca,
se sia brutta, se sia bella;
purché porti la gonnella,
voi sapete quel che fa.

レポレッロ

金髪の女性には、彼はいつも決まって
優しさを褒め称えます。
黒髪の女性には、その貞節を
色白の女性には、その優美さを。

冬は、ふくよかな女を好み
夏には細めの女を望みます。
身長が高い女性には、堂々としてると言い
低い女性には、いつもかわいいと

年配女性を誘惑します
彼女らをリストに載せる喜びのために
ご主人様が一番熱心になるのが、
若い初心者なのです。

関係ありません。金持ちであっても、
美しくなくても、美しくても。
スカートをはいている限り、
あの方が何をするかは、あなたはご存じでしょう

【解説】源氏物語・・・いいえ、井原西鶴の「好色一代男」のほうが近い!!

「おい、こら!」とドン・ジョヴァンニとレポレッロに言いたくなりますね。

日本文学で、稀代のモテ男といえば、源氏物語の光源氏。でももっと、女にも男にもモテまくった男がいるのです、井原西鶴の「好色一代男に。好色一代男の世之介は、7歳で恋を知ってから、行方不明になる60歳までの54年の間に、

女性3742人、男性(少年、若い男性)725人

に入っても、女の怨念が化け物になって現れても、色事への情熱は止まりません。54年間というのがポイントで、源氏物語の54帖にあわせられています。やっぱり日本のモテ男のルーツは、光源氏?

ジョヴァンニの地獄落ちの引導を渡すのは、騎士長(の石像)ですが、源氏物語や好色一代男のように、遊び人の男の前に出てくるのは女の怨霊の方が妥当じゃない?と思うのは日本人だからですかね。

ジョヴァンニと行動を共にした、レポレッロの共犯関係

un catalogo egli è che ho fatt’io

これは、私が作ったカタログですよ

まるで、ちょっと自慢のような言い回しです。

数々の国でジョヴァンニの女遊びに付き合い、たまに女をもらってきたのでしょう。ジョヴァンニの(女遊びの)カタログでありつつ、レポレッロの(記憶がよみがえる旅の)記録でもあります。オペラの中では、女遊びにはレポレッロのフォローが必要でしたし、片方が欠けると成し得ないふたりの女遊びの記録と言えます。

ジョヴァンニが不愉快な存在に落ちないのは、ジョヴァンニとレポレッロの信頼関係によるところが大きいです。呆れながらも、裏切ることはないし、地獄落ちの場面では「石像の手を取らないで」「反省してください」と言っていました。

レポレッロはジョヴァンニがいなくなった後、「よりよい新しいご主人を探そう」と。ですが、破天荒なご主人に慣れているので、他の人では退屈してしまいそうですね。

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