フィガロの結婚【もう飛ぶまいぞ、この蝶々】歌詞と対訳|Non più andrai, farfallone amoroso

フィガロの結婚 もう飛ぶまいぞ、この蝶々

フィガロの結婚・第1幕

浮気者の伯爵と同じ行動を取っているため、伯爵にとって目障りな存在になってしまった小姓のケルビーノ。伯爵が口説きに女中たちの部屋を訪れると、ケルビーノがいつも先にいるという具合。

軍に入ることになったケルビーノをからかうフィガロの歌が「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」です。第1幕の終わりに歌われます。

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「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」Non più andrai, farfallone amoroso【歌詞と対訳】

Non più andrai, farfallone amoroso,
notte e giorno d’intorno girando;
delle belle turbando il riposo
Narcisetto, Adoncino d’amor.

Non più avrai questi bei pennacchini,
quel cappello leggero e galante,
quella chioma, quell’aria brillante,
quel vermiglio donnesco color.

フィガロ

もうできないぞ、愛の
夜も昼も飛び回って
美女たちの憩いを掻き乱すことを
ナルシス、愛のアドーニスよ

もはや美しい羽根はいらないぞ。
軽くて優雅なあの帽子
その髪、派手な衣装
女みたいな紅(化粧)

Tra guerrieri, poffar Bacco!
Gran mustacchi, stretto sacco.
Schioppo in spalla, sciabla al fianco,
collo dritto, muso franco,
un gran casco, o un gran turbante,
molto onor, poco contante!

Ed invece del fandango,
una marcia per il fango.
Per montagne, per valloni,
con le nevi e i sollioni.

Al concerto di tromboni,
di bombarde, di cannoni,
che le palle in tutti i tuoni
all’orecchio fan fischiar.

Cherubino alla vittoria:
alla gloria militar.

フィガロ

兵士たちの中に行け、さあ大変!
大きな口ひげ、重い背負い袋
肩に銃、腰にサーベル
首はまっすぐ、鼻は堂々と
大きな帽子、大きなターバン
大きな名誉と、わずかなお金!

ファンタンゴを踊る代わりに
泥の中を行進だ。
山や谷でも
雪や酷暑の時も。

トロンボーンに合わせて
爆弾や大砲の
激しい砲弾の音は雷のように
耳に響くぞ。

ケルビーノ、勝利に向かって
軍隊の栄光に向かって

【解説】farfallone「蝶」は、浮気者、移り気な人、伊達男

farfallaファルファッラ蝶、蛾
farfalloneファルファローネ浮気者、伊達男

farfallaは、蝶ですが蛾も含みます。分類がざっくりとしていますね。

フィガロは、あえてケルビーノを「farfallone」に例えています。その後の歌詞で、ケルビーノが普段から着飾っている様子が伝わってきます。美しい羽根、軽くて優雅な帽子、その髪、派手な衣装、女みたいな紅(化粧)

女みたいな紅(化粧)は、おしろい(顔を白く塗る)や頬紅のことです。

フィガロの結婚は、フランス革命前なので、ヨーロッパの貴族の男性がおしゃれをして化粧をするのは普通でした。革命後は、男性の化粧は廃れていきます。

ケルビーノは、軍に行っても「将校」

フィガロは、ケルビーノに軍に行ったら苦労するぞ、と言っています。「もう飛ぶまいぞ、この蝶々」の前の伯爵とフィガロの台詞を見てみましょう。

伯爵の台詞

Ben ben; io vi perdono.
Anzi farò di più; vacante è un posto
d’uffizial nel reggimento mio;
io scelgo voi; partite tosto: addio.

伯爵

よかろう、許してやろう
いや、それ以上のことをしてやるぞ。空きがあるのだ
私の連隊将校
お前を任命してやるぞ、すぐに出発しろ、さらば。

フィガロの台詞

Ehi, capitano,a me pure la mano;

おい、キャプテン、俺にも握手してくれ

伯爵が「任命」と言っているので、それなりの役職で軍に行くことがわかります。それでも、伯爵の屋敷で着飾っていたケルビーノが、軍人たちに混じって行動するのは大変だったでしょうね。

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