【ドン・ジョヴァンニ】のあらすじ・モーツァルト

ドン・ジョヴァンニ オペラ

女遊びが好きな騎士、ドン・ジョヴァンニが地獄に落ちるオペラです。

幕が開いて早々に決闘の末、ジョヴァンニは人を殺し、反省せずに遊びまくります。石像に「悔い改めよ」と警告されますが反省するのを断り、地獄行き。

サスペンスコメディをイメージするといいです。コメディ要素多め。ジョヴァンニと従者レポレッロの軽妙なやりとりは、まるで漫才のよう。

初演は、モーツァルト自身が指揮をして、大いに盛り上がりました。

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モーツァルト「ドン・ジョヴァンニ」の簡単なあらすじ

遊び人の騎士、ドン・ジョヴァンニ。アンナの家に寝に行ったら騒がれて、アンナの父・騎士長と決闘する羽目に。騎士長を殺してしまう。だが、気にしない。同じ夜に、他の女をナンパしようとしたら、昔の女・エルヴィラだった。

結婚間近の村娘・ツェルリーナを見つけて口説く。成功・・・エルヴィラに邪魔される。周囲が、ジョヴァンニの女遊びに気がつく。

エルヴィラの侍女を口説く。周囲の恨みが高まる。夜中、墓地でジョヴァンニが休んでいると、騎士長の像が動き出す。ジョヴァンニは石像を夕食に招待する。本当に石像がやってきた。石像「行いを悔い改めよ」ジョヴァンニ「お断り」。ジョヴァンニは炎に包まれて、地獄に落ちる。

ジョヴァンニと行動を共にして、軽妙なやりとりをするのが、従者のレポレッロ

相関図と登場人物(ドン・ジョヴァンニ・レポレッロ)

ドン・ジョヴァンニ 相関図
ドン・ジョヴァンニ若い騎士バリトン
レポレッロジョヴァンニの従者バス

基本情報(作曲モーツァルト・イタリア語)

ドン・ジョヴァンニ Il dissoluto punito, ossia il Don Giovanni

  • 作曲 モーツァルト
  • 初演 1787年10月29日 プラハ国立劇場
  • 原作 ティルソ・デ・モリーナ「セビリアの女たらしと石の客」(1630年)
    モリエール「ドン・ジュアン」(1665年)
    ジョヴァンニ・ベルターティ「石の客」(1787年)
  • 台本 ロレンツォ・ダ・ポンテ イタリア語

ドン・ジョヴァンニの序曲

緊張感のあるスリリングな序曲です。

ドン・ジョヴァンニの序曲は、初演の直前、一夜漬けで書かれたと言われています。モーツァルトは眠くならないように、妻コンスタンツェに「千夜一夜物語」のアラジンの話を読んでもらいながら作曲しました。

ドン・ジョヴァンニ第1幕・騎士団長殺し

第1場 ドンナ・アンナに夜這い、決闘騒ぎ。騎士団長殺し

騎士長の邸宅・中庭

夜。レポレッロが、騎士長の邸宅の前で行ったり来たり。

レポレッロ

昼も夜も働くのさ。貴族になりたいものだ。召使いは嫌だ。
ご主人様は、恋人と密会で、私は、見張り番。

おや、誰かやってきたぞ。

「昼も夜も苦労して」Notte e giorno faticar

レポレッロは隠れる。ジョヴァンニは逃げようとし、アンナが腕を掴んで離さない。

アンナ

裏切り者!私から逃げられると思わないで。召使いたち出てきなさい。

ジョヴァンニ

(身を隠しながら)
馬鹿な。君は私が誰かわからないのに。静かにしろ!

レポレッロ

(騒ぎに、叫び声。ご主人様がまた問題を起こしたな。)

押し問答の末に、アンナはジョバンニの腕を放して、家に戻る。アンナの父・騎士長が騒ぎを聞きつけて現れる。

騎士長

私と決闘しろ。

ジョヴァンニ

消えてくれ。私にはふさわしくないのだ。決闘など。

レポレッロ

(ここから逃げ出したい。)

騎士長が引き下がらずに、決闘する羽目に。ジョヴァンニが騎士長を殺してしまう。ジョヴァンニは、隠れて見ていたレポレッロを呼び出す。レポレッロが嫌みを言い、ジョヴァンニが「ぶつぞ」と言い返し、二人は去って行く。

明かりを持って人々が集まってくる。アンナ、アンナの婚約者、召使いたち。騎士長の遺体を発見する。アンナは婚約者に復讐を誓わせる。

第2場 過去の女、エルヴィラが登場

路上

同じ夜。ジョヴァンニとレポレッロが言い争っている。

レポレッロ

怒らないと誓ってくださいよ。一言言わせてください。
あなた様の生活は、ならずものの生活ですよ!

ジョヴァンニ

黙れ!そんな話より、なぜここにいるかわかるか?私は、これから美人の貴婦人と別荘で会うつもりなんだ。そろそろ行かねば。

ちょっと待て・・・遠くから、女の香りだ。それに美人だぞ。どんな女か、離れたところで様子を見てみよう。

レポレッロ

(なんという嗅覚と視力なんだ。)

二人が後ろに下がったところに、エルヴィラが現れる。

エルヴィラ

不実な男を愛してしまった。私のもとに戻らないなら、苦しめてやる。

ジョヴァンニ

レポレッロ!聞いたか。男に振られたらしい。私が慰めよう。

ジョヴァンニが近づいて声を掛けると、以前関係をもった女だった。

エルヴィラ

ジョヴァンニ!!あれだけ熱烈に口説いて、寝た途端にいなくなったわね。私と結婚すると言ったのに、たった3日でブルゴスからいなくなるなんて。

こうやって会えたのも、復讐するためだわ。

ジョヴァンニ

これには理由があるんだ。なあ、レポレッロ。
(この女は、危なっかしいな。)
私では信用ならないだろうから、レポレッロの話を聞いてくれ。

ジョヴァンニは、ふたりが話している隙に逃げ出す。エルヴィラが気がついて追いかけようとするが、レポレッロが止める。

レポレッロ

まあ、落ち着いてください。
あなたは最初の女でも最後の女でもないし、なかったし、なることもないのです。

この本をご覧ください。ジョヴァンニ様の愛した女たちの目録です。私が作ったんですよ。年齢や身分、国籍、容姿問わず、女たちを褒めて寝るのです。

「カタログの歌」Madamina, il catalogo è questo

レポレッロは去り、エルヴィラは復讐を誓う。

第3場 ツェルリーナを口説く・・・エルヴィラの邪魔

村の広場

今夜結婚する、村娘のツェルリーナと花婿を祝って、村人たちが踊っている。ジョヴァンニとレポレッロが通りかかる。

ジョヴァンニ

素晴らしい。皆さん、こんにちは。結婚式でもあるのかね?

ツェルリーナ

そうです。花嫁は私、花婿は彼です。

ジョヴァンニ

二人とも素晴らしい。ぜひ仲良くしたいな。

(レポレッロ、彼らをうちの屋敷に連れて行き、ハムやワインを出して楽しませろ。特に、花婿を楽しませるんだぞ。

レポレッロが村人たちを屋敷に連れて行く。レポレッロを振り払い花婿が「ツェルリーナは僕がいないとダメなんです」と残ろうとする。レポレッロは花婿に「うちのご主人様がついているから心配ない」と言い、ジョヴァンニも「騎士の手にまかせろ。すぐに二人で向かうから。」と説得。

ツェルリーナ

私は大丈夫よ。騎士様がついていてくれるもの。

それでも残ろうとするので、ジョヴァンニが剣を見せて牽制する。

花婿

ああ、引き下がります。騎士様ですから、疑うなんて出来ませんよ。

(ツェルリーナにこっそり)
悪い女!君はいつも僕を酷い目にあわせてきたんだ。
ここにいろ!騎士様がおまえを女騎士にしてくれるといいな!

残った、ジョヴァンニとツェルリーナ。

ジョヴァンニ

君は農婦になるような女ではない。別の運命があるよ。
私と結婚しよう。近くに私の別荘があるのだ。運命を変えよう。

ツェルリーナ

遊ばれたらどうしよう。・・・でも、あなたについて行くわ。

ツェルリーナは最初は断るが、受け入れる。ふたりは抱き合いながら、ジョヴァンニの別荘に向かう。

エルヴィラ

待ちなさい。罪のない子をどこに連れて行こうというの!

ジョヴァンニはツェルリーナに「この女は私につきまとっている」とこっそり言うが、エルヴィラが、ツェルリーナを連れて行く。

ジョヴァンニ

どうも悪魔が楽しみの邪魔をするな。

ジョヴァンニが一人になったところに、アンナと婚約者がやって来る。アンナたちは、ジョヴァンニが昨夜の男だと気がついておらず、「騎士長の復讐のため、友人のあなたに協力して欲しい」と話に来た。そこに、エルヴィラが戻ってきて、ジョヴァンニを責め立てる。

エルヴィラ

ジョヴァンニ。不実な男。この男は、皆さんを裏切っているのです。

ジョヴァンニ

彼女は気がふれているのです。心配しないでください。

アンナと婚約者はどちらを信じて良いのか、困惑。エルヴィラが去り、ジョヴァンニが「不幸な女を放っておけない。」と二人に言って、後を追いかける。

アンナ

ああ、なんてこと!彼が、昨夜の男よ。先ほど最後の言葉を言った時に、私の心に思い浮かんだの。自分の部屋で彼の声が・・・

婚約者が何があったのか聞きたがるので、アンナは昨夜の出来事を話し立ち去る。その場に残ったアンナの婚約者は、一人で復讐を誓う。

アンナの婚約者 (ウィーン版・追加されたアリア)

私の心の安らぎは、彼女にかかっている。
彼女が悲しめば、私も苦しむ。彼女の涙、苦しみは、私のものでもある


レポレッロはひとりでぼやいている。

レポレッロ

どんな犠牲を払っても、おさらばしないと。こんな酔狂には付き合いきれない。

ジョヴァンニ

私のレポレッロ!万事、うまくいっているぞ。

レポレッロ

私のジョヴァンニ様!万事、まずい調子ですよ!

屋敷で村人たちを歓待していた所に、ツェルリーナとエルヴィラ様が来たんですよ。エルヴィラ様はあなたの悪口を言いまくって、落ち着いたところで、家から出てもらい、鍵を掛けました。

ジョヴァンニ

お見事じゃないか。

踊ってみんなで盛り上がろう!酒といろんなダンスで!
その隙に、私はこの女とあの女と恋をするのだ。明日の朝には、リストに10人加わるだろう。

「シャンパンの歌」Fin ch’han dal vino

第4場 次第にドン・ジョヴァンニの女遊びがばれる

ジョバンニの邸宅・庭先

村人たちが庭でくつろいでいる中、ツェルリーナと花婿がいる。花婿はツェルリーナに「結婚式の日に、僕を裏切るなんて」と怒っている。

ツェルリーナ

でも、私に罪がなかったら?彼は私に指一本ふれていないのよ。

ぶってよ、子羊のようにあなたがぶつのを待っているわ。なんでもしていいのよ。ぶたれても、私はあなたの手にキスするわ。あら、勇気がないのね。それなら仲直りしましょう。

「ぶってよ、マゼット」Batti, batti, o bel Masetto

ツェルリーナの言うことを信じない花婿は隠れて、ツェルリーナを見張ることにする。ジョヴァンニが着飾ってやって来る。ツェルリーナを口説くが、花婿が出てきてその場を取り繕う。3人でギクシャクしながら、庭を離れる。


アンナ、アンナの婚約者、エルヴィラが仮面をつけて、ジョヴァンニの屋敷の外にいる。ジョヴァンニは窓から3人を見つけて彼らを屋敷に招くように、レポレッロに伝える。

レポレッロ

仮面をつけた皆さん、主人が舞踏会に招待したいと申しています。
(またご婦人たちに、言い寄ってみるのだろうな)

第5場 完全に周囲に、女遊びを疑われている、ジョヴァンニ

ジョバンニの邸宅・大広間

ジョヴァンニ、レポレッロ、ツェルリーナ、花婿、村人たち。お菓子や飲み物が次々と運ばれて、皆が踊っている。ジョヴァンニがツェルリーナを口説いて、花婿がその様子を見て怒っている。

仮面をつけた、アンナ、アンナの婚約者、エルヴィラが、現れる。

レポレッロが花婿と無理矢理一緒に踊って、その隙にジョヴァンニがツェルリーナを連れていく。ツェルリーナが叫び声をあげ、仮面をつけた3人と花婿が探して、ツェルリーナを見つけ出す。

そこに、ジョヴァンニが剣を持ち、レポレッロを引き連れて来る。でも、剣を抜いていない。

ジョヴァンニ

こいつがツェルリーナを犯そうとしたヤツだ。私が罰しよう。死ね!悪いやつめ。

レポレッロ

ええ!なんでそんなことを!

アンナの婚約者

そのようなことをしても、無駄ですよ。

3人が仮面をはずし、アンナ、アンナの婚約者、エルヴィラだと、ジョヴァンニが気がつく。

アンナ、アンナの婚約者、エルヴィラ、ツェルリーナ、花婿

悪党よ!なにもかもわかったぞ。すぐに世間が知るだろう。
復讐が近くにあり、お前の頭上に雷が落ちるだろう。

ジョヴァンニ

ジョヴァンニ、レポレッロ

頭がぼうっとしている。何をしているのかわからない。

嵐が、私をおびやかしている。でも、勇気は失わないぞ。気落ちしないし、驚かない。たとえこの世が崩れ落ちても、恐れるものは何もない。

ドン・ジョヴァンニ第2幕・地獄落ち

第1場 従者レポレッロと服を交換して、ナンパに

路上

ジョヴァンニが、出て行こうとするレポレッロを引き止めている。

ジョヴァンニ

おい、困らせるんじゃないよ。私が何をしたっていうんだ。お前が出て行くようなことをしたのか。

レポレッロ

ええ、殺されそうでしたけどね。出て行かせてください。

ジョヴァンニはレポレッロに金貨を渡して機嫌を取る。

ジョヴァンニ

私には計画がある。お前と服を交換して、エルヴィラの侍女を口説きに行くぞ。あの階級のものは、この服では信用してくれない。

レポレッロはしぶるが、ジョヴァンニが一喝して、二人は服を交換する。


あたりが、次第に暗くなっている夕暮れ時。エルヴィラが窓辺で憂いている。レポレッロ(ジョヴァンニの服)が路地に立ち、影からジョヴァンニ(レポレッロの服)が見ている。

ジョヴァンニ

エルヴィラ、私の愛しいひとよ。私に憐れみをくれ。
下に来てくれないか。君こそ私が夢中で愛している人だ。
(レポレッロ、彼女が降りてきたら、一緒に遠くに行くんだぞ)

レポレッロ

(エルヴィラはまだこの人を信じるのだろうか?)

エルヴィラは、悩んだ後に降りてきて、レポレッロ(ジョヴァンニの服)をジョヴァンニと思い込んだまま、熱々に盛り上がる。ジョヴァンニが「うるさいぞ」と声を上げて、ふたりを追い払う。

ジョヴァンニ

さあ、エルヴィラの侍女のために歌わねば。

窓辺においで。愛しい人。拒むのなら、私は死んでしまう。
さあ、姿を見せてくれ。(女性が窓辺に出てくる)

「窓辺においで」Deh, vieni alla finestra

そこに、武装したツェルリーナの花婿と村人たちが現れる。ジョヴァンニが、先に花婿だと気がついた。レポレッロのふりをしてジョヴァンニが話しかけると、花婿は「ジョヴァンニを懲らしめに来たんだ」と言う。

ジョヴァンニ

(レポレッロになりきって)私もご主人様には、こりごりだ。

君たちの半分はあっち、半分はこっちに行くんだ。
そっと静かにあいつを探し出せ。ジョヴァンニは、大きな帽子にマントを着ているさ。(レポレッロが今着ている服装)

そして、ツェルリーナの花婿くん。君は残って。どんな武器をもっているのかい?

花婿が武器を見せると、ジョヴァンニはその武器で花婿を痛めつけて、去って行く。

花婿が倒れて痛がっていると、声を聞きつけてツェルリーナがやって来る。

ツェルリーナ

あなたが馬鹿げたやきもちから困ったことにならないか心配したの。
どこが痛いの?それくらいなら大丈夫。このまま家に帰りましょう。

私があなたを癒やしてあげる。薬屋にも作れない素晴らしい薬が私にはあるのよ。それがどこにあるかわかる?(胸を触らせる)

「薬屋の歌」Vedrai, carino

第2場 周囲が、ジョヴァンニへの復讐に燃える

騎士長の邸宅・中庭

夜。複雑な庭で出口がわかりにくい。

ジョヴァンニがけしかけた村人たちに追いかけられて、レポレッロ(ジョヴァンニの服)とエルヴィラが逃げてくる。

レポレッロ

愛しい人。ここに隠れよう。
(どうやって彼女から逃げだそうか?今がチャンス出て行こう。)

レポレッロがエルヴィラから離れて出て行こうとしたが、庭の出口ではなかった。別の場所から、アンナとアンナの婚約者が庭に出てくる。アンナ宅の庭だと知らなかった、レポレッロとエルヴィラがこっそり門から出て行こうとすると、ツェルリーナと花婿と鉢合わせになった。

ツェルリーナ、花婿「待て、ならずもの。」アンナ、アンナ婚約者「なぜ、うちの庭に。」

エルヴィラ

ジョヴァンニは、私の夫です。許してあげてください。

アンナ、アンナの婚約者、ツェルリーナ、花婿

エルヴィラ?信じられない。いや、ジョヴァンニには死んでもらう。

レポレッロ

いや、私はジョヴァンニではないです。命だけはお助けを。

一同が驚いていると、アンナが何も言わずその場を去る。レポレッロは、残った人に責められる。

レポレッロ

エルヴィラ様には謝ります。
ツェルリーナの花婿さんのことは知りません。私はやっていない。

(ええと、入ってきたときは、ああでこうで。そうかわかった)

レポレッロが出口をめがけて逃げ出す。エルヴィラは、レポレッロを追いかけて去る。残った、ツェルリーナ、花婿、アンナの婚約者。

アンナの婚約者 (ウィーン版ではカットされたアリア)

皆さん方。私は、必要な人に異議を申し立てて、復讐することを誓います。義務と信仰心、愛情でそうするのです。私の愛しい人を慰めてあげて下さい。そして彼女に伝えて。復讐のために私が立ち上がると。

「私の恋人を慰めて」Il mio tesoro intanto

エルヴィラがひとり。

エルヴィラ (ウィーン版・追加されたアリア)

彼は、とんでもない悪行を犯してしまったわ。もう裁きは止められない。運命の落雷が、彼に落ちてしまう。

復讐を誓っても、彼が危険な目にあえば、胸騒ぎが起こるのよ。

第3場 ドン・ジョヴァンニ、騎士団長の像を夕食に招待

墓地

夜。騎馬像がたくさんあり、その中に、騎士長の像がある。ジョヴァンニが陽気にやって来る。

ジョヴァンニ

女を追いかけ回すのにちょうどいい、明るい夜だな。レポレッロは、うまくやっているかな。

レポレッロ

あなたとなんか、出会わなきゃよかった。殺されそうになりましたよ。

ジョヴァンニが、自分がレポレッロと間違えられて、女を口説いた話をしていると、どこかから声が響いてきた。

騎士長の像

夜明け前には、お前の高笑いも止まるだろう。

他の者がからかっていると思い、ジョヴァンニは剣を振り回す。自分が殺した騎士長の石像に気がつく。

ジョヴァンニ

レポレッロ、騎士長の像に晩餐に招待すると、伝えろ。

レポレッロは断るが、ジョヴァンニに脅されて招待を伝える。石像がうなずく。レポレッロは恐がり、ジョヴァンニは不思議がり、晩餐の用意に向かう。

第4場 ジョヴァンニの女遊びで、影響を受けたカップル

薄暗い部屋

アンナの婚約者が「早く結婚して君を慰めたい」と言うが、アンナは「今は悲しみの中にいるので」と断る。

アンナの婚約者

君は何度も結婚を引き延ばして、僕を傷つけるつもりか。

アンナ

私はあなたを愛していますよ。苦しみで私が死んでしまうのをお望みでないのなら、今は何も言わないでください。

アンナが立ち去り、婚約者は受け入れる。

第5場 騎士団長の像が夕食に。悔い改めないので地獄落ち

ジョバンニの邸宅・大広間

晩餐の用意がしてある、大広間。

すでに食事の準備が整って、楽団もいる。ジョヴァンニは「自分の金で用意したのだから、もう食べるぞ」と言って食事を始める。レポレッロがジョヴァンニに隠れて食べる。

途中、楽団がフィガロの結婚」の「もう飛ぶまいぞ、この蝶々を演奏する。

レポレッロ

この曲は、よく知っているぞ!

ジョヴァンニが食事を楽しんでいると、エルヴィラがやって来る。生活を改めるように頼むが、ジョヴァンニは笑い飛ばし、「一緒に食事をしよう」と誘う。

エルヴィラは立ち去るが、叫び声を上げて戻ってきて、別の方向へ逃げ去る。レポレッロが様子を見に行くと、叫び声を上げて戻ってきた。おびえて、扉を閉める。

レポレッロ

外に、騎士長の像がいます。真っ白で・・・石の・・・人間。ジョヴァンニ様、外に出ないでください。ああ、ドアをノックする音が!

ジョヴァンニ

レポレッロ、扉を開けてやれ。・・・仕方がないな、私が開けよう。

レポレッロ

(見てられない・・・机の下に隠れていよう)

騎士長の像が部屋に入ってくる。

騎士長の像

ジョヴァンニ、晩餐に招いてくれたな。私はやってきたぞ。
お前は、私の食事に招かれるか?
受け入れるなら、私の手を取れ。

「地獄落ち」Don Giovanni, a cenar teco

レポレッロ

(だめだ、と言ってください!)

ジョヴァンニ

もちろん、いいさ。うわ!なんと冷たい手だ。

騎士長の像

悔い改めろ、生活を変えろ。これが最後の時だ。

ジョヴァンニ

悔い改めるものか!私から離れろ!

レポレッロ

(悔い改めるのですよ!)

騎士長の像

もう時間がない。

炎が上がり、大地が揺れて、騎士長の像が消えていく。ジョヴァンニは、火の中にいる。

ジョヴァンニ

誰が、私の魂を引き裂くのか!地獄だ!恐怖だ!

レポレッロ

絶望した顔!叫び!なんと、恐ろしい。

火が燃え上がり、ジョヴァンニが地獄の炎に飲み込まれていなくなる。残されたレポレッロ。


一転して明るい音楽。

レポレッロ、アンナ、アンナの婚約者、エルヴィラ、ツェルリーナ、ツェルリーナの花婿、そして裁判官が現れる。

レポレッロ

ジョヴァンニ様はいないですよ。遠くに去られました。

みんなが詰め寄るので、さきほどの事態を話す。それぞれの身の振り方を話す。

アンナの婚約者

天が彼に復讐してくれたので、私と結婚しましょう。

アンナ

あと、一年待ってください。

エルヴィラ

私は修道院に入り、一生を過ごすことにします。

ツェルリーナ

ツェルリーナ、花婿

私たちは家に戻りましょう。一緒に食事するために。

レポレッロ

もっといい主人を見つけよう。

全員で「これが、悪人の最後だ」と歌い、幕。

実際にオペラ「ドン・ジョヴァンニ」の舞台を観るなら

2019年に新国立劇場で公演がありました。よく上演されるので観劇の機会が多いです。

【公式】新国立劇場オペラ「ドン・ジョヴァンニ」の公演情報

おすすめ「ドン・ジョヴァンニ」のDVD

日本語字幕付き。小学館の人気シリーズです。

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