カルメン「お前が投げたこの花は・花の歌」歌詞と対訳|La Fleur que tu m’avais jétée

カルメン・第2幕

牢の刑期が終わり、ホセはカルメンに会いに来ます。カルメンはホセを歓迎しますが、あっという間に軍に帰る時間に。

ドン・ホセ

軍に戻らないと。

カルメン

さっさと帰れば。あんたの愛なんて、信じられないわ。

ドン・ホセ

ひどいな。信じてくれ。

ホセは、出会った日にカルメンから投げられた花を出して、カルメンへの愛を伝えます。このときに歌われるのが、「お前の投げたこの花は」(花の歌)です。

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お前が投げたこの花は La Fleur que tu m’avais jétée 歌詞と日本語訳

La fleur que tu m’avais jetée,
dans ma prison m’était restée.

Flétrie et sèche, cette fleur
gardait toujours sa douce odeur;
et pendant des heures entières,
sur mes yeux, fermant mes paupières,
de cette odeur je m’enivrais
et dans la nuit je te voyais!

Je me prenais à te maudire,
à te détester, à me dire:
pourquoi faut-il que le destin
l’ait mise là sur mon chemin?

ドン・ホセ

お前が投げたこの
牢屋の中でも、手放さなかった。

しぼみ枯れても、この
甘い香りをずっともっていて、
何時間も、何時間も
まぶたを閉じた俺の目には、
この香りにうっとりして、
暗闇の中で、お前が見えたのだ!

呪ってやろう、憎んでやろうと
自分自身に問いかけもした。
どうして、運命は、あの女を
僕の人生に立ち入らせたのか?と。

Puis je m’accusais de blasphème,
et je ne sentais en moi-même,
je ne sentais qu’un seul désir,
un seul désir, un seul espoir:
te revoir, ô Carmen, oui, te revoir!

Car tu n’avais eu qu’à paraître,
qu’à jeter un regard sur moi,
pour t’emparer de tout mon être,
ô ma Carmen!
et j’étais une chose à toi!
Carmen, je t’aime!

ドン・ホセ

それから、自分の呪いを自分でとがめ、
自分の中に感じ取ったんだ
僕には、ただひとつだけの願いがある
ただひとつの願い、ただひとつの望みしかない。
お前にまた会うこと、カルメン、お前に会うことだけ!

だってお前はただ現れただけで、
僕を一目見るだけで
僕のすべてを奪うことが出来たのだから。
おお、カルメン!
そしてもう、僕はお前のものなんだ!
カルメン、お前が好きだ!

カルメンが投げた花は、原作ではアカシアの花

カルメンの舞台上では、赤いバラの花が投げられることが多いですが、原作では、fleur de cassie と書かれており、別の花です。

アカシアの花 fleur de cassie

cassie ・・・ 香りのよい黄色い花。アカシアの花。ミモザ。

ミモザは、香水に使用されたりします。ミモザの香りは、優しい穏やかな香り。バラのはっきりした香りと比べると、上品な香りです。オペラのカルメンには、赤いバラの方が合いますね。

思い詰めた、ドン・ホセのカルメンへの愛

出だしは、暗く思い詰めた印象です。歌詞の中に、恨み、憎み、呪いなどの言葉が出てきて、これからの二人の行く末が不安なものに感じられます。

ですが、次第に旋律が甘くなっていき、Carmen, je t’aime! カルメン、お前が好きだ!の最後の部分で、ホセの気持ちが露わになります。

ホセの気持ちを聞いた後に、カルメンはこう答えます。

カルメン

いいえ、好きじゃないのよ。もし好きなら、私から離れないわ。

ドン・ホセ

いや、軍には戻る。永遠にさよならだ。

その後、上官とホセがトラブルになり、結局ホセは、軍を去ることになりました。

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