ラ・ボエーム【ムゼッタのワルツ・私が歩いている時は】歌詞と対訳|Quando men vo soletta per la via

ラ・ボエーム 第2幕

着飾ったムゼッタは、パトロンと一緒にカフェに現れる。昔付き合っていたマルチェッロを見かけて、彼にまだ自分を思う気持ちが残っているか試してみようとします。

(Che sia geloso
di questa mummia?)

…(Vediam se mi resta
tanto poter su lui da farlo cedere!)

Tu non mi guardi!

Ma il tuo cuore martella!

ムゼッタ

(嫉妬してるのかしら
このミイラに?)

…(私がそれを残しているのか見てみましょう。
彼を屈服させるだけの力を!)

あなたは私を見ないのね!

でも、あなたの心はドキドキしている!

ムゼッタはマルチェッロに向かって言っていますが、パトロンは自分に向けて言われていると思い、あたふた。「ムゼッタのワルツ・私が町を歩けば」はムゼッタがマルチェッロを試す歌です。

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「ムゼッタのワルツ」Quando men vo soletta per la via【歌詞と対訳】

Quando men vo soletta per la via,
la gente sosta e mira
e la bellezza mia tutta ricerca in me
da capo a pie’…

ムゼッタ

私が一人で通りを行くと、
人々は立ち止まって見とれるの
美しさをすべて、私から探そうとするのよ。
頭から足まで・・・

… ed assaporo allor la bramosia
sottil, che da gli occhi traspira
e dai palesi vezzi intender sa
alle occulte beltà.
Così l’effluvio del desìo tutta m’aggira,
felice mi fa!

ムゼッタ

そして、じっくりと味わうの。
目に表れている視線を
それを分かってやっているの。魅力ある仕草から
神秘的な美しさまで
こうして私は、欲望の香りに包まれて、
幸せになるのよ!

E tu che sai, che memori e ti struggi
da me tanto rifuggi?
So ben: le angoscie tue non le vuoi dir,
ma ti senti morir!

ムゼッタ

あなたは分かっている。思い出しては押しつぶされそうになり、
私から逃げ出したいのね?
私はよく分かっている。あなたが自分の苦悩を言いたくないだろうし、
死にそうな気持ちを感じていることもね!

【解説】青春を謳歌する、ムゼッタのワルツ

歌詞だけ見ると、ちょっと軽薄な女性に見えるムゼッタ。実際に聞いてみると印象が違ってくるのではないでしょうか。明るくのびのびと青春を謳歌している感じです。

当時の女性は、男性と気軽に関係を持つのが普通だった

普通というと言い過ぎかもしれませんが、そこまで抵抗がなかったようです。ボエームでは一見「ミミは貞淑、ムゼッタは軽薄」のように見えますが、ミミの職業はお針子と書かれていることからわかることがあります。

お針子 = グリゼット(灰色の娘)

下層階級の女性は灰色の服を着て、手仕事などの簡単な仕事をしつつ、複数の男性やパトロンを持ってお小遣い稼ぎをしていました。そのため、灰色の服を着た娘、グリゼットは下層階級の娼婦に近い存在でした。ミミもムゼッタと同じような生活していたのです。それだけ女性がひとりで生活するのは大変だったのでしょう。本当にミミがお針子の仕事をしていたら、男性が触ってうっとりするような「美しく柔らかい手」を持っているなんて無理な話ですからね。

曲の美しさは、パトロンを持つことの抵抗感のなさの表れです、下層階級の女性が体を売ることに抵抗感がなかったから、ムゼッタは自由に堂々と振る舞えたのです。

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