アイーダ|あらすじと簡単解説・ヴェルディ

「アイーダ」は、1869年のスエズ運河の開通記念に建てられた、エジプト・カイロ歌劇場のために作られた作品。ただし、劇場のこけら落としには間に合わず、リゴレットが上演され、後ほど1871年12月に初演がカイロ劇場で実現しました。

奴隷・アイーダ、軍人・ラダメス、エジプト王の娘・アムネリスを取り巻くオペラです。

この3人の関係の中に、戦争に負けたアイーダの父がエジプトに捕虜としてやってきて、話が急展開します。

アイーダがラダメスに軍事機密を聞いてしまい、ラダメスはエジプトの国を裏切ってしまうことに。その結果、ラダメスとアイーダは悲劇に向かっていきます。

アイーダの見どころとして有名な「凱旋行進曲」は、第2幕・第2場で演奏されます。

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オペラ・歌劇「アイーダ」の簡単なあらすじ

アイーダとラダメスの秘密の恋 → アムネリスの嫉妬 → アイーダ、ラダメスに国を裏切らせる → 国にばれる → ラダメスに死刑判決 → ラダメスと共に、アイーダも死ぬ

エチオピア人奴隷のアイーダと、エジプトの将軍、ラダメスは、秘密の恋をしている。エジプトの王女、アムネリスは、ラダメスに恋をしており、二人の仲を疑っている。エジプトは、エチオピアと交戦することになる。ラダメスはその指揮官に。

エチオピアは負け、アイーダの父が捕虜に。父によって、アイーダはラダメスに国を裏切らせる。

国への裏切りが明るみになり、ラダメスは裁判で生き埋めの刑に。ラダメスとアイーダは共に死ぬ。

相関図と登場人物(アイーダ・アムネリス・ラダメス)

アイーダの相関図
オペラ「アイーダ」の相関図・タップで拡大表示
アイーダ奴隷・エチオピアの王女ソプラノ
アムネリスエジプトの王女メゾソプラノ
ラダメスエジプトの将軍テノール
アモナスロエチオピア王バリトン
ランフィスエジプトの祭司長バス
エジプト国王エジプト国王バス

作曲ヴェルディ・初演・原作・台本・上演時間

Aida  アイーダ

  • 作曲 ヴェルディ
  • 初演 1871年12月24日 カイロ歌劇場
  • 原作 オギュスト・マリエット・ベイ原案、カミーユ・デュ・ロークル
  • 台本 アントニオ・ギスランツォーニ イタリア語
  • 上演時間 2時間20分(第1幕40分 第2幕40分 第3幕30分 第4幕30分)

【解説】「アイーダ」の時代背景と、関連する地図

アイーダの舞台は、古代エジプト

オギュスト・マリエット・ベイという、古代エジプト学者のアイデアがもとになっていますが、史実に基づいていないので、歴史ファンタジーとしてみるのがよいです。

「攻めてきたエチオピア軍を、エジプト軍が倒す」という話は、実際には、あり得ないことです。

アイーダに関わる、古代エジプトの地図

アイーダは、史実に基づいていないので、古代エジプトの最大領土と、アクスム王国(エチオピア)の最大領土を合わせた、イメージ地図です。

最大勢力を誇った時期が、それぞれ違うので、実際にはこのような地図にはなりません。

アイーダ 地図

古代エジプト アムネリス、ラダメス、エジプト国王 

アクスム王国(エチオピア) アイーダ、アイーダ父(エチオピア国王)


メンフィス 王宮、火の神の神殿 (第1幕、第4幕)

テーベ 城門、アムネリスの部屋 (第2幕)

ナイル川  アイーダがラダメスを待っている場所(第3幕)

ナパタ ナパタの渓谷 ラダメスが「今なら、ナパタの渓谷は、兵士がいなくて無人(この情報は、軍事機密)だから、そこを通って逃げよう」とアイーダに言った場所(第3幕)

「アイーダ」第1幕の簡単な対訳 アイーダとラダメス、秘密の恋

「アイーダ」前奏曲

オペラでこれから起こる、アイーダとラダメスの悲劇的な結末を想像させる音楽。

第1場 アムネリスが二人の仲を疑う

メンフィスにある、王宮の広間

メンフィスの神殿やピラミッドが見える広間に、ラダメスとエジプトの司祭長がいる。

エジプトの祭司長(ランフィス)
エチオピアが侵略してくるようだ。イシスの女神がエジプト軍の最高司令官を選ぶだろう。

ラダメス

選ばれた者は幸運ですね。

エジプトの祭司長(ランフィス)
(意味ありげに、ラダメスを見て)若くて勇敢な者だよ。

エジプトの司祭長、立ち去る。

ラダメス

エジプト軍の最高司令官に選ばれたら、功績を挙げてアイーダを嫁にもらおう。

清らかなアイーダ。王家の冠をあなたの髪に乗せたい。太陽の玉座に座らせたい。

「清きアイーダ」Celeste Aida

アムネリスが、王宮の広間に入ってくる。

アムネリス

あなたのまなざしには喜びが見えるわ。あなたの心をときめかすのは、どんな美しい女性かしら?

「二重唱」Quale insolita gioia

ラダメス

幸運な夢を見ていたのです。エジプト軍の最高司令官に、もし私が選ばれるとしたら…

アムネリス

もっと甘い夢をみていたのでは?

ラダメス

私がですか?(しまった。アイーダとの秘めた恋がばれてしまう。)

アムネリス

(私以外の女を好きならば、ただではおかないわ!!)

悲しげなアイーダが広間に入ってくる。ラダメスは、アイーダにすぐに気づいて、動揺してる。

アムネリス

(アイーダを見て、ラダメスが動揺している!彼女がライバルなの?)

おいでなさい。アイーダ、あなたを妹のように思っているのよ。涙の訳を教えて。

(この女奴隷め!)

「おいでなさい・三重唱」Vieni, o diletta, appressati

アイーダ

私はエチオピア人なので、これから戦になる祖国のことを思って泣いているのです。

(祖国のことだけで涙を流しているのではないわ。不幸な恋に涙を流してしまう。)

ラダメス

(アムネリスの顔に、怒りと疑念がある。秘密の恋がばれたら、大変だ。)

広間に、エジプト国王と兵士らが入ってくる。

エジプト国王
国境からの使者が到着した。

使者
エチオピア人により、エジプトが侵略されました。すでにテーベまで来ています。エチオピアを率いているのは、アモナスロ。

エジプト国王
エチオピアの王が!

アイーダ

(私のお父様!)

使者
テーベでは、すでに戦闘準備に入っています。

エジプト国王
イシスの女神は最高司令官をラダメスに選んでいる。

ラダメス

神々に感謝を。

アムネリス

ラダメスが司令官に!

アイーダ

(父とラダメスが戦うことに!)

エジプト国王
ラダメスよ、神殿に行きなさい。勝利を祈願するのだ。

ラダメス

神々に感謝を。勝利のために戦いましょう。

人々
戦いだ!戦いだ!侵略者を退治しろ!

アムネリス

勝ちて帰れ!

人々
勝ちて帰れ!

人々が戦いの準備に立ち去り、ひとり残ったアイーダ。

アイーダ

「勝ちて帰れ!」私の口から忌まわしい言葉が出てしまった。ラダメスと父が戦うなんて。不吉な愛が、私に死をもたらす・・・

「勝ちて帰れ」Ritorna vincitor

第2場 ラダメス、戦いの勝利祈願

火の神の神殿

エジプトの祭司長(ランフィス)と巫女たちが、祭祀を行っている。

巫女たち
全能なる神よ、この世に命を与える神よ。祈りを捧げよう。

「全能なる神よ」Immenso, immenso Fthà, del mondo

祭司たち
何もないところから、海、大地、空を生み出した神よ。祈りを捧げる!

ラダメスが祭壇の前に立ち、剣を受け取る。

ラダメス

エジプトを守りたまえ。

「アイーダ」第2幕の簡単な対訳 アムネリスの嫉妬、エジプト軍の勝利

第1場 アムネリス、二人の恋を知る

テーベのアムネリスの部屋

エジプト軍は勝利した。凱旋祝賀式に出席するため、アムネリスは多くの侍女を従えて、身なりを整えている。アムネリスは、侍女らを下がらせアイーダを呼び止める。

アムネリス

(この女を見ていると、忌々しい疑念がわいてくるわ。)

アイーダ、お前の国のことは、気の毒だったわね。でも、隠し事はおやめなさい。あなたの故郷とエジプトが戦うことで苦しんだのでは?

運命はある者に残酷でした。有能な指揮官が…ラダメスが戦いで死んだの。

「二重唱」Fu la sorte dell’armi a’tuoi funesta

アイーダ

そんな…永遠に悲しみ、泣き続けるでしょう

アムネリス

お前はラダメスを愛しているのね!ラダメスは生きているわ。私は、お前の恋敵。このファラオの娘が!

アイーダ

私の恋敵!それでは、私はそうなのでしょうね!

ああ、なんてことを言ったの。お慈悲を。計り知れない愛でラダメスを愛しています。あなたは幸福で強大です。私には愛しかありません。

アムネリス

震えるがいい、私の復讐を待て!

これから祝賀式典に私とともに参加するがいい。私は玉座に、お前はひれ伏せろ。思い知るがいい。本当に私と戦うことができるのかを!

アイーダ

お慈悲を。お慈悲を。

第2場 エジプト軍の「凱旋行進曲」

テーベの城門前

エジプト国王、アムネリスが高座に座り、兵士たちの入場を見ている。

人々
エジプトに栄光あれ、イシスの神に栄光あれ。聖なる土地を守る神に。デルタを統べる王に。栄光あれ!

「外線行進曲」Gloria all’Egitto, ad Iside

女たち
蓮と月桂樹を勝利者の髪に飾りましょう。花を武器に散らせましょう。エジプトの娘たちは神秘の舞を踊るのです。

アイーダのために作られた、アイーダ・トランペット(エジプト風トランペット・ファンファーレ・トランペット)が登場します。

通常のトランペットは、ホースを丸めたように主管が巻かれていますが、アイーダ・トランペットは主管がまっすぐになっています。

エジプト軍が国王の前を行進。続いて、踊り子らが戦利品を持ち入場。バレエの場面

ラダメスが登場。

エジプト国王
祖国の救い主よ。我が娘から王冠を授けよう。そして、褒美を取らせる。望みを何でも叶えよう。

ラダメス

まずは、あなたの前に囚人をお連れすることをお許しください。

エチオピアの捕虜が連れられてくる。兵になりすましたアイーダの父(アモナスロ)も捕虜に。

アイーダ

あの方は!…私の父!

「あの方は、私の父」Che veggo!… Egli!… Mio padre!

全員
父親だと!

アイーダの父(アモナスロ)
(アイーダに小声で)私の身分を明かすな。

私はこの者の父です。この兵士の服からわかるように、国や王のために戦いました。国への愛が犯罪なら、私たちは罪人です。死ぬ覚悟はできています。

しかし、王よ。慈悲深くあってほしいのです。今日は我々が運命に負けましたが、明日はあなた方がその道をたどるのかもしれないのですから。

捕虜ら
あなたに憐れみを求めます。我々の苦しみが、あなたに与えられませんように。

エジプトの祭司長(ランフィス)
王よ、彼らの声に耳を傾けてはいけません。彼らは残虐です。神々は彼らに死をもたらしたのです。すでに神によって決まったことなのです。

アイーダ

王よ、あなたに憐れみを求めます。我々の苦しみが、あなたに与えられませんように。

ラダメス

(悲しみにいるアイーダの顔は美しい。)

アムネリス

(ラダメスが、アイーダを見ているわ。)

ラダメス

王様、あなたは私の望みを叶えると誓いました。エチオピアの囚人のために、彼らの命と自由を求めます。

人々
祖国の敵に死を!!

エジプトの祭司長(ランフィス)
王よ、ラダメスよ。彼らは敵である。そして心に復讐心を持っている。再び武器を手にするだろう。

ラダメス

すでにエチオピアの王は、死んでいます。彼らに希望はありません。

エジプトの祭司長(ランフィス)
それでは、アイーダの父をエジプトに残すのだ。

エジプト国王
祭司長よ、お前のアドバイスに従おう。

ラダメスよ、アムネリスを褒美として与える。アムネリスとラダメスは結婚をしなさい。国を統治するのだ。

アムネリス

(女奴隷よ、私の愛を奪ってみろ、お前に勇気があるのなら。)

アイーダ

(ラダメスには、栄光と玉座が。私には、忘却と涙。)

ラダメス

(落雷が私に落ちてきた。エジプトの玉座など、アイーダの心ほど価値はない。)

アムネリス

(予期せぬ喜びに酔っている。私の心の夢が、一日で叶うのね。)

アイーダ父(アモナスロ)
しっかりしろ、アイーダ。故郷に喜びをもたらせ。復讐の時は近い。

人々
エジプトに栄光あれ、イシスの神に栄光あれ。

ラダメス、アイーダ、アムネリスの心の内と、アイーダ父による思惑、エジプトと神を称える民衆によるアンサンブル。

「アイーダ」第3幕の簡単な対訳 アイーダが、ラダメスに国を裏切らせる

ナイル川のほとり

月の輝く夜、ナイル川から一隻の船。船から、アムネリス、祭司長、巫女たち、衛兵らが出てくる。

巫女たち
オシリスの母にして妻たる方よ、女神よ。哀れな私たちをお救い下さい。

「オシリスの母にして」O tu che sei d’Osiride Madre immortale e sposa

エジプトの祭司長(ランフィス)
アムネリス、神殿に行き、婚礼の祈りを捧げなさい。

アムネリス

はい。私が愛するように、ラダメスも私を愛してくれることを祈ります。

全員が神殿の中に入っていく。

アイーダが、あたりを伺うようにやってくる。

アイーダ

ラダメスがここに来る。あなたは私に何を伝えるの?もしかして、別れを告げるためかも。

懐かしの故郷よ。もう二度と戻ることはないでしょう。

「おお、わが故郷」O patria mia

アイーダが一人でラダメスを待っていると、アイーダ父が現れる。

アイーダの父(アモナスロ)
お前たち3人の関係はわかった。お前が望めば、アムネリスに勝つ方法があるのだぞ。祖国も、玉座も手に入る。

香る森林を、涼しい谷間、金色の神殿をを思い出せ。

「香る森林を・二重唱」Rivedrai le foreste imbalsamate

アイーダ

香る森林を、涼しい谷間、金色の神殿をを思い出す。

アイーダの父(アモナスロ)
忘れるな!エジプトが先に侵略してきて、宮殿の壊し、国の娘たちを奪い去ったのだ。我が国は戦う準備は整っている。だが、敵がたどる道を知らなければならない。

ラダメスから、エジプト軍の軍事機密を聞き出せ。祖国のためだ。

アイーダは最初は拒むが、泣く泣く受け入れる。アイーダ父は、木陰に隠れる。

ラダメスが現れる。

ラダメス

やっとあなたに会えた、愛しいアイーダ。

「二重唱」Pur ti riveggo, mia dolce Aida

アイーダ

お帰り下さい。あなたにはアムネリスとの結婚が。

ラダメス

何を言うのか?あなたを愛しているのに。次に戦があれば、また軍功を立てて、結婚を認めてもらおう。

アイーダ

もし愛しているなら、一緒にここから逃げて欲しい。

ラダメス

祖国を捨てろというのか、すべて積み上げてきたものを。信仰を捨てろというのか。

アイーダ

あなたは私を愛していない。さようなら。

ラダメス

待ってくれ。わかった。一緒に逃げよう。国を捨てて。

アイーダ

どの道を通って逃げたらいいのかしら?武装した兵たちがたくさんいるでしょう。

ラダメス

ナパタの渓谷は、敵へ攻撃するために、明日まで無人なのだ

アイーダの父(アモナスロ)の声
ナパタの渓谷!そこに我がエチオピアの軍勢を送り込め!

木陰から現れる、アイーダ父。ラダメスは当惑。

アイーダの父(アモナスロ)の声
私はエチオピアの王だ。

ラダメス

お前がアモナスロ。私は、名誉を失った!!!国を裏切ったのだ。

「三重唱」Tu!… Amonasro!… tu!… il Re?

アイーダ

落ち着いて!

「名誉を失った」と何度も言い、パニックになるラダメス。アイーダは彼を落ち着かせようとする。

アムネリスが、神殿から祭司長や衛兵らを引き連れてやってくる。

アムネリス

(遠くからアムネリスの声)裏切り者!!

アイーダ

私の恋敵!

アイーダ父が、アムネリスに短剣で襲いかかろうとするのを、ラダメスは止めに入る。ラダメスは、アイーダ、アイーダの父(アモナスロ)を逃がしてから、自ら捕まる。

「アイーダ」第4幕の簡単な対訳 ラダメス死刑判決、二人の死

第1場 アムネリスの助けを、ラダメスは拒否

メンフィスにある、王宮の広間

地下牢に通じる扉の前で、ひとりアムネリス。

アムネリス

憎い恋敵はいなくなった。ラダメスは祭司による裁きを待っている。

ラダメスは国を裏切った。軍事機密を明かして、アイーダとともに国を離れようと…

絶望的で狂気なほど、ラダメスを愛している。彼を救いたい。衛兵よ、ラダメスをここへ連れてきて。

「憎い恋敵は逃げていった」L’aborrita rivale a me sfuggia

アムネリスは、衛兵に地下牢からラダメスを連れてこさせる。

アムネリス

あなたの運命を決める、祭司たちが集まってます。恐ろしい事態にもかかわらず、あなたに弁明の機会を与えられています。弁明してください。私も援護します。

「二重唱」Già i Sacerdoti adunansi

ラダメス

私の弁明が聞き入れられることはないでしょう。軽はずみに情報を漏らしたのは事実ですから。

すべての希望をなくしたので、死ぬ覚悟はできています。

アムネリス

死ぬですって!私のために生きてください。

ラダメス

あなたが私からアイーダを奪い、彼女を亡き者にし、さらに私に命をくださると。

アムネリス

アイーダは生きています。死んだのは、アイーダの父だけです。

ラダメス

アイーダには祖国に戻り、彼女のために私が死ぬことを知らないでいてほしい。

アムネリス

あなたは生きるのです。

ラダメス

死ぬ覚悟はできています。

ラダメスは地下牢に戻り、祭司たちが地下に降りていく。

アムネリス

誰があの方を救うの?祭司たちにラダメスの裏切りを知らせたのは、私だなんて。

裁判の様子が聞こえてくる。

エジプトの祭司長、祭司らの声
神の御霊よ、私たちの下に降りてきてください。私たちの唇により、あなたの正義を行います。

「神の御霊よ」Spirto del Nume

アムネリス

ああ、お慈悲を。

エジプトの祭司長(ランフィス)の声
弁明しないのだな。お前は、祖国に、王に、名誉に背いた。

ラダメス、お前の運命は決まった。悪名高いものとして死ぬだろう。怒れる神の神殿の下に、生きたまま入るのだ。

地下から出てきた祭司たちに詰め寄るアムネリス。

アムネリス

生きながら墓にするなんて、ひどい!私が愛している人なのよ。こんなことが許されるの?!

エジプトの祭司長(ランフィス)
彼は裏切り者で、死刑がふさわしい。

第2場 アイーダとラダメスの死

火の神の神殿、ラダメスの墓の中

ラダメスがひとり、墓の中に入り、司祭たちが石の扉を閉めている。

ラダメス

私の上に、死の石が閉じられた。アイーダは無事だろうか。

「死の石が私の上に閉じられた」La fatal pietra sovra me si chiuse

物音がして、暗がりからアイーダが出てくる。

アイーダ

このようなことになると思い、先回りして墓の中に入っていました。

ラダメスは、アイーダを逃がそうと石をもちあげようとするが、びくともしない。

アイーダ

アイーダとラダメス
大地よ、さようなら、涙の谷よ。痛みで消えた喜びの夢。天が私たちに開かれている。

「大地よ、さようなら、涙の谷よ・二重唱」O terra, addio; addio, valle di pianti

二人は、天国で結ばれることを約束し、死ぬ。

喪服姿のアムネリスは、ラダメスの墓の上で、祈りを捧げる。

アムネリス

あなたに平和がありますように。神が、あなたを天国に導きますように。

「あなたに平和がありますように」Pace t’imploro

実際にオペラ「アイーダ」の舞台を観るなら

2018年、新国立劇場で開場20周年記念特別公演がありました。

【公式】新国立劇場オペラ「アイーダ」の公演情報

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